クラシックコンサートで演奏される多くの楽曲では、主に第1楽章に「ソナタ形式」が見られます。
このページでは、クラシックの有名な楽曲の中から10曲をピックアップし、それぞれどこにソナタ形式が使われているのかをご紹介します。
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※ソナタ形式の意味については、以下のページもあわせてご参照ください。
https://yamahacantabile.com/sonata-form/
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チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」
チャイコフスキーと言えば、「くるみ割り人形」など、現代でも演奏される人気の楽曲をたくさん残している歴史的な作曲家です。
その中でも、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」は、ピアノ協奏曲の中でも最もよく演奏される楽曲の1つです。
テレビのCMなどでもよく使われている楽曲で、知らない人はほとんどいないくらいいろいろな場所で耳にします。
全くクラシックのことがわからない方でも楽しめる名曲中の名曲ですので、ぜひ聴いてみてください。第1楽章にソナタ形式が使われています。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第14番 月光」
●全楽章
●第3楽章のみ
ベートーヴェンはあまりに偉大な作曲家であるため、3曲をピックアップしました。
ベートーヴェンの「ピアノソナタ第14番」は、「月光」「月光ソナタ」の名前で親しまれている曲です。
名探偵コナンの大人気回である『ピアノソナタ「月光」殺人事件』で知った方も少なくないのではないでしょうか。
それ以外にも、最も感動的な音楽マンガ「四月は君の嘘」のアニメ版で、主人公のライバル相座武士が演奏しています。
第1楽章は穏やかな夜の情景が浮かんでくるゆったりとした曲ですが、第3楽章ではうって変わってアップテンポの激しい曲へと変化します。
個人的には「月光ソナタ」の第3楽章がお気に入りなので、
ソナタ形式はソナタの第1楽章に用いられるのが一般的ですが、「月光ソナタ」においては、ソナタ形式は第3楽章に用いられています。
ベートーヴェン「交響曲第7番」
続いては、ベートーヴェンの「交響曲第7番」です。
「交響曲第7番」は、国民的音楽マンガ「のだめカンタービレ」にも登場しています。あの、千秋先輩がSオケと悪戦苦闘しながらつくり上げていった曲です。
のだめカンタービレで交響曲第7番が選ばれた理由は、「のだめの主題曲がベト7になった必然」などでわかりやすく解説されています。
また、交響曲第7番の解説では、以下のものがわかりやすいので引用します。
交音楽ファンの間では、9つの交響曲の中で「最もバランスの良い作品」とも評されます。
知名度こそ「運命」「田園」「第九」には負けますが、ベートーヴェンの代表作として数えることが出来る作品です。
さらにはクラシックファン以外でも「聴きやすい」音楽とも言われています。
その理由は音楽の展開がはやく、聴き手が飽きにくいということが言えると思います。。
――MUSICA CLASSICA「ベートーヴェン「交響曲第7番」の解説とオススメ名盤」より抜粋
わかりやすい旋律で、クラシック初心者の方でも楽しめるおすすめ楽曲です。
ベートーヴェン「交響曲第6番 田園」
続いてご紹介するベートーヴェンの「交響曲第6番」には、「田園」という表題がついています。
特徴的なのは、有名な「交響曲第5番 運命」はベートーヴェン自身が名づけたものでないのに対して、この「田園」は、ベートーヴェン自身が表題をつけたということです。
実際に、田園のようなのどかな風景が浮かんでくる穏やか曲調で、聴く人の心を落ち着かせてくれる癒し系の楽曲です。
モーツァルト「2台のピアノのためのソナタ」
ソナタ形式と言えば、はずすことのできない作曲家が、モーツァルトです。
モーツァルトの「2台のピアノのためソナタ」も、のだめカンタービレで演奏された曲です。
千秋先輩とのだめがデュエットした曲で、のだめカンタービレで一番活躍した曲と言っても過言ではない存在です。
のだめ効果もあってか、クラシックコンサートでも演奏される機会の多い楽曲です。
ただ、のだめと千秋先輩は涼しそうな顔をしてこの曲を演奏していますが、とても弾くのがむずかしい曲です。
ましてや、2台ピアノで合わせて弾くなんて、驚くほどの難易度です。
しかしながら、メロディも親しみやすく、きちんと調和した演奏を聴くと、この上ない心地よさを味わうことができます。
以下の動画も素晴らしいハーモニーを奏でているので、ぜひ聴いてみてください!第1楽章がソナタ形式です。
モーツァルト・グリーグ「ピアノソナタK.545(2台ピアノ)」
もうひとつ、モーツァルトの曲で個人的におすすめしておきたいのが、「ピアノソナタK.545」の2台ピアノ版です。
K.545自体は、ピアノを習う人なら誰でも知っているくらい有名な曲です。
そのK.545を、グリーグが2台ピアノ向けに編曲したものが、K.545 for Two Pinosです。
シンプルながらも心地よいK.545に伴奏が加わることで、より和声感の溢れるメロディになっています。
この曲も、初心者の方でもとっつきやすいメロディでおすすめです!ソナタ形式は第1楽章に用いられています。
ハイドン「交響曲第94番 驚愕」
どこかで聞いたことのある曲だけど、誰がつくった何という曲かはわからない…。
「交響曲第94番 驚愕」は、そんな曲の代名詞です。作曲者はハイドンです。
ハイドンはソナタ形式を確立したと言われ、ソナタ形式に関しては超重要人物です。
そんなハイドンの楽曲を1つピックアップしました。
「驚愕」の名前の由来は、静かな旋律の中に突如大音量の一撃が入ることに由来しています。
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」
ピアノ協奏曲で根強い人気を誇るのが、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」です。
連日のようにコンサートの曲目に名を連ねています。
最近では、ピティナ・ピアノコンペティション2018の特級ファイナルで、2人のファイナリストに選曲されていたこともあります。
最終的に優勝を果たした、YouTubeでもCateen(かてぃん)の名で活躍する角野 隼斗さんもファイナルで演奏した曲です。
迫力の演奏をぜひ楽しんでみてください。
ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」
続いては、個人的にイチオシの楽曲なのですが、ラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」です。
「ピアノ協奏曲ト長調」も、のだめカンタービレに使用されたことで有名になった曲の1つです。
パァーンというムチの音ではじまり、ジャズっぽい軽快なメロディであることが特徴です。
聴いていてとても楽しい気分になれる楽曲です。ソナタ形式は第1楽章に用いられています。
プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」
プロコフィエフの「ピアノ協奏曲第3番」は、知名度という点では他の楽曲には劣りますが、個人的におすすめしたい楽曲です。
プロコフィエフは、チャイコフスキーと同じくロシアの作曲家です。バッハやベートーヴェンほど名前は聞きませんが、現在でも演奏され続ける作品を残しています。
NHK交響楽団も、この楽曲を以下のように評しています。
――前略――この曲は、構築性と奔放性、また美しい叙情性や素朴さと野性味――それらが見事に融合しており、20世紀最高のピアノ協奏曲との呼び声も高い。
――NHK交響楽団「プロコフィエフ ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 作品26」より抜粋
●「ソナタ形式」の意味については、以下のページをご参照ください。
https://yamahacantabile.com/sonata-form/
●以下のページでは、ソナタ形式に関する様々なトピックをまとめています。あわせてご参照ください。
https://yamahacantabile.com/sonata-form-portal/
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