これまでの音楽の歴史の中で、初心者から段階的にレベルアップしていけるような数多のピアノ教本が世に送り出されてきました。
ピアノの教本がたくさんありすぎて迷ってしまう、という方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、初心者がピアノ教本を選ぶ際のポイントに触れながら、初心者におすすめのピアノ教本をいくつかピックアップしました。
レベル感としては、初心者~中級者くらいまでをカバーするようなチョイスになっています。
みなさんのピアノ教本選びの参考になれば幸いです。
目次【押すと移動】
ピアノ初心者でも教本は大譜表で、中央ドから学ぶのがおすすめ
ピアノを初心者の方は、以下のようなポイントで教本を選ぶとよいでしょう
- 大譜表(ト音記号1段+ヘ音記号1段)が用いられているもの
- 中央ド(中央ハ)から音程が大きく離れないもの
大譜表とは、ト音記号が用いられた五線と、ヘ音記号が用いられた五線が2段で構成される楽譜のことです。初心者であっても、ト音記号、ヘ音記号と分けるのではなく、はじめから大譜表の教本を用いるようにしましょう。
かつてはまずト音記号の一段の楽譜を使って、慣れたらヘ音記号の楽譜を使って、それぞれの音部記号の楽譜の読み方に慣れたら大譜表、という進み方が主流でした。
しかしながら、それだと大譜表へと移る時の抵抗感が大きくなってしまいます。そのため、初心者の方であっても最初から大譜表を使って学ぶのがおすすめです。
ピアノの最も基本的な音である中央ド(下の画像の黄色い音)から放射状に音域を広げていけば、自然とト音記号、ヘ音記号、両方読めるようになります。
画像:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:MiddleC-Keyboard.png
今は、大譜表であっても全然むずかしくなく、初めての方でも無理なく進めていける教本もたくさんそろっています。
今回はそれらの一部をピックアップしてご紹介します。
ぴあのどりーむ|イラストで楽しく理解
「ぴあのどりーむ」(田丸信明著)はまるで絵本のようなカラーイラストがイメージをかき立てるピアノ教本です。進度もゆっくりめで、全くの初心者の方でも無理なく進めます。
以下のリンクに商品説明やレビューなどが乗っていますので、ご興味のある方はご確認ください。
●幼児向け教本
●初級教本
みんなのオルガン・ピアノの本|小学生くらいのお子さんにおすすめ
「みんなのオルガン・ピアノの本」(ヤマハミュージックメディア)も、イラストや歌詞がついていて、楽しく学ぶことができるピアノ教本です。
「ぴあのどりーむ」と比べると進度が早いように思われますので、小学生ぐらいから始める場合により適しているでしょう。
以下のリンクには、内容の見本なども載っていますのでぜひご覧になってみてください。
ピアノランド|魅力的なオリジナル楽曲
「ピアノランド」(樹原涼子著)は入っている曲が魅力的なピアノ教本です。すべて樹原涼子さん作曲のオリジナルです。
テキストには楽典的な説明がないので、先生が補足して説明する必要があります。
他のテキストでは後に出てくる8分の6拍子も比較的早くに出てきますし、理屈よりも音楽を楽しむことを重視、というコンセプトが伝わってきます。
先生と一緒に連弾ができるよう、楽譜に伴奏が書かれていますが、音楽データも発売されているので、それを使うのもおすすめです。
合わせて弾くことで、初心者の方でも聴きながら合わせる、止まらずに弾く、同じテンポで弾く、という習慣が身につきます。
商品説明やレビューなどは、以下のリンクからもご確認いただけます。
バーナムピアノテクニック|子どもから大人までおすすめの教本
先ほど挙げた3つのテキストは子ども向けのものなので、大人になって始めたい方には抵抗があるかもしれません。
そこで、「バーナムピアノテクニック」(エドナ・メイ・バーナム著)は、子どもから大人までおすすめできるピアノ教本です!
バーナムピアノテクニックは指のテクニックを鍛えるための本で、ミニブック→導入→1→2→3→4と進みます。最初のミニブックは大譜表で中央ドから始まりますので、上記の教本と合わせて使うのにも最適です。
短い曲が12曲で1つのグループになっています。1曲1曲にタイトルが付き、添えられているシンプルな線で書かれた線画が身体の動きをイメージしやすく、楽しく弾くことができます。
音階・カデンツ(終止形)・分散和音・転回和音・トリル など、ピアノを弾くのに必要な要素がピックアップされている点もよいですね。
中学生になると「学校で合唱コンクールの伴奏をすることになった!」と言うこともあるのですが、その際にも役立ちます。
ペダルの使い方を訓練するテクニック本はあまりないので、この教本は重宝します。短い曲なので、時間のない中学生や大人が使うのにぴったりです。
ひとつ難を言えば、比較的早くに三和音が出てくるのですが、それを小さい子が弾くには無理があるというところでしょうか。
こちらの教本も詳細やレビューなどはリンクよりご確認いただけます。
●ミニブック
●導入書
ギロックの作品|ツボを押さえている教本
ギロックという作曲者については、知らない人も少なくないのではないでしょうか。
1917年に生まれ、1993年に没したギロックは、自身もアメリカでピアノ教師として長年指導に携わってきた人物です。
ギロックは、ピアノ指導の経験に基づいた、初心者の「こんな曲が弾きたい」、指導者の「こんなテキストがあったらいいのに」という欲求に応えるような曲をたくさん書いています。
ギロック作品には、バロック風・古典派風・ロマン派風・印象派風・ジャズ風などなど、様々なスタイルの曲があり、ピアノ指導者だけでなく子どもからも絶大な人気があります。
ショパンやドビュッシーの名曲を思わせるような曲を、自分のテクニックレベルで弾くことができるなら…練習しようというモチベーションも上がりますよね。大人の初心者にも、教本としてぴったりです。
「はじめてのギロック」「こどものためのアルバム」「アクセントオン」「抒情小曲集」「ピアノピースコレクション」といった曲集があります。
ギロックの教本の商品説明やレビューなどは、以下のリンクからご確認いただけます。
●はじめてのギロック
●ギロック こどものためのアルバム
●ギロック アクセントオン
●ギロック 抒情小曲集
●ギロック ピアノピースコレクション
その魅力はピアニストにも注目され、生誕100年となる2017年には熊本マリさん、小原孝さん、三舩優子さんがそれぞれCDをリリースしています。
モチベーションがアップする教本の選び方とは
ここで紹介した教本はほんの一部です。これが絶対!というものではないので、あくまでも参考程度にとどめてください。
意外とモチベーションに影響するのは「楽譜の見た目」です。特に、初心者は音符が大きめで、見やすいものを選ぶ方がいいと思います。
そして、あまり厚すぎるテキストを選ばないことです。「いつまで経っても終わらない…」とモチベーションが下がりかねないので、薄目の教本で数をこなしていく方がモチベーションを維持できる可能性が高いです。
それから、曲にタイトルがついている、というのも教本選びのポイントです。曲のタイトルがあると、イメージが湧いて弾きたいという気持ちが喚起されやすくなるものです。
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