演奏家

守安功・守安雅子|アイルランド音楽と共に

守安功・雅子夫妻イメージ画像

この度、ご縁があって、日本におけるアイルランド音楽研究の第一人者である守安 功(もりやす いさお)・守安 雅子(もりやす まさこ)夫妻(以下、敬称略)による演奏会を鑑賞してきました。

これまでにも様々な演奏会に参加してきましたが、守安夫妻はその強烈なキャラクターと素晴らしい演奏で、普通の演奏会では味わえないような独特の楽しさを提供してくださいました。

今回は、演奏会などから感じた、守安夫妻の魅力などについて、お伝えしていきたいと思います。

守安功・守安雅子夫妻|アイルランド音楽の研究家・演奏家

まずは、守安功・雅子夫妻のプロフィールについて簡単に確認しておきましょう。以下は、守安夫妻のウェブサイトからの引用です。

守安功と雅子の二人は、1990年代の頭より、毎年、1年の3分の1をアイルランドに滞在し、変わりゆくこの国を見つめ続けてきました。そして、今は亡き名人たちを含む、アイルランドのさまざまな地方の演奏家たちから教えを受けてきました。その活動は、ドキュメンタリー番組にもまとめられ、2002年、アイルランド国営放送で放映されました。最近では、アイルランドとスコットランドの17世紀から19世紀の音楽の発掘と演奏や、新しく作られた名曲の紹介な ども積極的に行っています。2007年に始まった、世界初の試みとなる、アイルランドで最も重要な作曲家、ターロック・オキャロランの全作品録音プロジェクトは、クラシック音楽の専門各誌でも高い評価を受け、音楽各方面より注目を集めています。また、毎年数回、アイルランドから音楽やダンスの名手を日本にお招きし、日本各地で共演しています。
守安夫妻のオフィシャルウェブサイト(http://www7b.biglobe.ne.jp/~irish_paddy/profile.html)より。

いかがでしょうか?守安夫妻のアイルランドとアイルランド音楽への熱い情熱が伝わってきますね。

守安功・雅子夫妻を一言で表すなら、「アイルランド音楽の研究家・演奏家」です。

具体的な人物像について、それぞれ確認していきましょう。

守安功|際立った個性と至高の演奏技術

守安功さんは、リコーダーやアイリッシュ・フルートなどの木管楽器奏者です。

<参考>アイリッシュ・フルート

アイリッシュ・フルートの画像

 

画像:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Irish_Flute_keyless.jpg

まずもって人柄に触れてますが、守安功さんは、際立って個性的な人物です。

変な意味ではなく、極めてユーモラスな性格であるという意味です。

話す内容が一言一言全て独創的で、おもしろく、笑いを誘います。

たとえば、クレオパトラのように美しい人物に対して、「この曲は、クレオパトラの曲だよ。クレオパトラに会ったことある?」と言って、たくさんの聴衆を笑わせていました。(あまり書きすぎると笑いのネタバレになるので書きませんが)

これは一例にすぎませんが、守安功さんは、誰もが認めるユーモラスで個性的な人物です。

ユーモラスなトークを繰り広げながらも、ところどころでその博識さがにじみ出てきます。

たとえば、あるメヌエットを演奏するときには、アイルランドのジャガイモ飢饉に触れながら、それがどのような状況で演奏された曲であったのか、イマジネーションを湧かせてくださいます。

音楽での学びやアイルランド・スコットランドに関する知見などを、持ち前のユーモアにのせてお話しくださるので、聴衆は笑いのツボだけでなく、知的好奇心をも刺激されながら演奏を聴くことができるのです。

しかしながら、ひと度楽器を握ると、全く別の人物へと豹変します。

守安先生がリコーダーやフルートを奏でると、極めて流麗で淀みのない、聴いていて心地の良い音楽が生まれます。

私は全くの素人ですが、それでもどんなに早いパッセージでもきちんと一音一音弾き分ける息づかいの妙に驚きを隠せませんでした。

指の体重移動もあまりに巧みで、まるで指があらかじめその位置に行くよう定められているかのように自然に動きます。

そのように熟達した守安先生の演奏からは、知らない曲であっても十分に聴いて楽しめるほど素晴らしい音楽が生まれるのです。

さらには、リコーダーだけでなく、アイルランドのアコーディオンを巧みに演奏するなど、多彩な

トークと音楽のギャップも、必見です。

守安雅子|アイリッシュハープによる魔法の副旋律

守安雅子さんは、アイルランドのハープであるアイリッシュハープの奏者です。

さらに、ハープだけでなく、コンサーティーナ(六角形の小型アコーディオン)、バゥロン(アイルランドの太鼓)の演奏家でもあります。

<参考>コンサーティーナ

コンサーティーナの画像

画像:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Concertina_Lachenal_c1900_MIM.jpg

<参考>バゥロン

バゥロンの画像

画像:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:IrishBodhran.JPG

守安雅子さんは、ほとんどの楽曲において、ハープで副旋律を演奏していました。

リコーダーを始めたばかりの方の伴奏や、太鼓・フルート・リコーダーとの重奏での伴奏など、実に様々な場面に臨機応変に対応しながら副旋律を奏でていたのが印象的です。

どんな演奏でも、私が私が!と前面に押し出ることはせず、共演者に寄り添い、共演者の演奏を引き立てる…。守安雅子さんのハープ演奏は、そんな優しさが感じられる魅力的な演奏でした。

また、ハープだけでなく、時にはバゥロンへと楽器を替えながら、様々な種類の演奏の支え役として活躍していました。

そんな守安雅子さんは、建築物を支える土台やメイクに欠かせないファンデーションのように、安定感を以て演奏を支える人物であると私は思います。

守安夫妻のアイルランド音楽演奏会|雰囲気は?

守安夫妻の人物像について確認したところで、次はお二人のつくり出す演奏会の雰囲気について簡単に触れておきたいと思います。

なお、今回参加したコンサートの概要は、以下の通りです。

演奏会名称:「THE HOLE IN THE WALL」
テーマ:アイルランドとスコットランドの伝統音楽/アイルランドとイングランドのバロック音楽
日 程:2019年5月3日(金・祝)
①14:00~ ②18:00~
会 場:近江楽堂(東京オペラシティ内)

様々なゲストとのコラボレーション

守安夫妻の演奏会の大きな特徴として、多様なゲストと共演することが挙げられます。

たとえば、リコーダーを始めて2カ月の方や、アムステルダム・鹿児島など遠方からいらっしゃった方、大阪でバロック音楽をやっている方など、実に多彩な方が登場していました。

個性的な人のところには個性的な人が集まる…守安功さんが群を抜いて個性的な方であることもあって、みなさん個性を隠し切れず、トークや演奏から個性がにじみ出ていました。

多様な方とコラボレーションすることで、演奏会中に様々な化学反応が発生します。

共演者との化学反応の結果は予測不可能なものであるため、何の音楽が演奏なされるのかだけではなく、どのような音楽が生まれるのかを楽しむことができます。

さらに、これまでに守安夫妻は、日本人だけでなく海外の様々なアーティストの方々とも共演なさっています。

守安夫妻はお人柄が大変魅力的であるため、多くの方が引き寄せられ、共演が実現しているのでしょう。

オフィシャルウェブサイトにも共演実績が載っていますので、ぜひご覧になってみてください。(http://www7b.biglobe.ne.jp/~irish_paddy/profile.html)

曲を知らなくても楽しめる

また、守安夫妻のコンサートは、曲を知らなくても楽しめることが大きな特徴です。

何を隠そう、私もアイルランド音楽について全く知らない状態での参加でした。

知らない曲ばかりであるにもかかわらず、最初から最後まで飽きることなく楽しむことができました。

曲を知らなくても楽しむことができる理由は、大きく分けて2つあります。

1つは、守安功さんのユーモラスなトークです。

どうしたらそんなにおもしろいことを言い続けられるんだろうと感心してしまうくらい、終始楽しいトークが続きます。観客にも笑いが絶えません。

聴いている誰もが、守安ワールドに引き込まれ、笑わずにはいられないのです。

途中、守安先生は落語が好きとおっしゃっていたので、落語などから着想を得ているのかもしれません。

とにかく、守安先生のユーモラスなトークだけでも、十分に楽しむことができるのは間違いありません。

2つ目の理由として、要所で楽曲に関するわかりやすい解説が入ることが挙げられます。

これまたわかりやすくストーリーのある解説で、演奏される曲がどのような背景を持つのかを興味深くお話してくださいます。

そのため、楽曲のイメージの中にすんなりと入り込むことができるのです。

私は、特に前半に演奏された舞曲が気に入ったので、ついCDを買ってしまったほどです。

守安功・雅子夫妻のコンサート情報

ここまでご紹介してきたように、守安功・雅子夫妻の演奏会は、たとえアイルランド音楽を知らなくても十分に楽しむことができます。

そんな守安夫妻の今後の演奏会情報について、最後にご紹介しておきます。

演奏会名称:「THE LAMENTATION OF IRELAND  HAPPY TO MEET, SORRY TO PART」
テーマ:アイルランドとスコットランドの伝統音楽/アイルランドとイングランドのバロック音楽
日 程:2019年9月28日(土)
①14:00~ ②18:00~
会 場:近江楽堂(東京オペラシティ内)

さらに、2020年の5月3日も同様に近江楽堂で演奏会を開催されるとのこと。

ユーモラスなトークと共演者との化学反応、そして隠れた名曲の数々を楽しむことができるので、ご興味のある方はぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

【予約・問合せ先】
オフィスP&B:paddy@mvb.biglobe.ne.jp

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