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ホルンの理想のアンブシュアとは?下から三分の一はもう古い?!

理想のホルン・アンブシュアのイメージ画像

古い教本を見ると、ホルンのアンブシュアについて、「上唇と下唇の境目がマウスピースの下から三分の一にくるのが理想」と書かれている事があります。

しかし、私の場合、どうやってもそのアンブシュアでは音が上手く出なくて、むしろ理想と真逆の、マウスピースの上から三分の一に唇の境目を当てて吹いていました。

それが原因で、先輩や講師の先生から事あるごとに直すように指導を受けてきました。

私のように、教本で言う所の「理想」のアンブシュアでない人は一定の割合数いるのではないかと思われます。

そこで今回は、ホルンのアンブシュアについて考えたいと思います。

ホルン・アンブシュアは「下から三分の一」にこだわる必要なし

結論から申し上げると、アンブシュアに「理想」というものはそもそも無く、その人が吹きやすければ、それがその人にとっての理想のアンブシュアということになります

なぜなら、歯並びや骨格、唇の形状等は、一人ひとり違うからです。それを一律「下から三分の一」とするのは非常にナンセンスな話ですよね。

ホルンを吹いている人は、マウスピースの下から三分の一に唇を当てている人が多いのは確かです。

しかし、それはただ「主流である」というだけであって、それに当てはまらないアンブシュアが間違っているというわけではないのです。

ではばぜ、こうまでホルン吹きは「下から三分の一」神話に悩まされなくてはいけないのでしょうか。この謎を、次の章で考察したいと思います。

アンブシュアには大きく分けて三種類ある

金管楽器のアンブシュアは大きく分けて3タイプあると言われています。

このことをDavid Wilken氏が英語のウェブサイトで解説しています。

そして、それをホルン奏者・指導者であるバジル=クリッツァーという方が、自信のブログで日本語訳されているので一部ご紹介します。

これによると、金管楽器のアンブシュアには以下の3種類があるとされています。

  1. 超高位置タイプ…マウスピースのカップ内において上唇が75%~90を占めるような当て方
  2. 中高位置タイプ…超高位置より真ん中寄り(上下で見た場合)で、上唇の割合は50%~75%程度
  3. 低位置タイプ…低位置タイプの奏者は、マウスピースカップ内における下唇の割合が50%~90%を占める

そして、①・②は金管楽器奏者に多いアンブシュアだが、③の低位置タイプは非常に少なく、それゆえに「金管指導者は、(略)低位置タイプの奏者たちに、不要で誤った修正を施そうとして問題を引き起こしがち」だと指摘されています
引用元:バジル=クリッツァ―氏のブログ(https://basilkritzer.jp/archives/4855.html)

つまり、「主流じゃないから」「めずらしいから」という理由で、アンブシュアが低位置タイプのホルン吹きはいつも批判の対象となり、肩身の狭い思いをしていたという訳なんですね。なんと理不尽な…。

そこで、低位置タイプのホルン吹きに朗報です!

「ホルンの神様」である伝説のホルン奏者、デニス=ブレインも実は低位置タイプのアンブシュアだったと言われています

もしあなたが低位置タイプで、怖い先輩に「アンブシュアを直せ」と言われたら、デニス=ブレインの名前を出してしまいましょう。

誰も文句が言えなくなるはずです。もし先輩がデニス=ブレインを知らなかったら?そんな先輩、相手にする必要も無いでしょう。

アンブシュアに不安を感じているあなたへ

先日、先ほどご紹介したバジル=クリッツァー先生のレッスン(複数人でのレッスン)に参加する機会があり、とても印象的な言葉を聞く事ができたのでご紹介します。

私と同じ低位置タイプで悩む高校生に対し、バジル=クリッツァー先生がこのようにおっしゃいました。

「周りは、あなたのアンブシュアに対し、こうしろ、ああしろと言うかもしれない。だけど、もしそれに従ってアンブシュアを変え、あなたが今までのようにホルンを吹けなくなってしまっても、誰も責任を取ってくれないよ。」

つまり、自分を守るのは自分しかないという事です。

自分を守る方法として、例えばアンブシュアについて柔軟な考えを持つ指導者を味方につけるのも一つです。

また、今はyoutube等で簡単に動画が見られる時代です。自分と同じアンブシュアタイプのプロを探して自信をつけるのも良い方法の一つですよ。

実に様々なアンブシュアのホルン奏者がいる事がわかると思います。

ご自身のアンブシュアに不安を感じた時には、ぜひ試してみて下さいね。

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DoReMi
音楽系教育機関で音楽家の学習や演奏活動を支援しながら、ピアノやソルフェージュなど自身の音楽活動を継続しています。音楽学習者がつまずきやすい音楽の概念を読んで理解できるサイトを創りたいという思いから、「DoReMiOnline」を立ち上げました♪