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コントラバスのピチカート奏法|構え方や音質・音量について

コントラバスのピチカート奏法イメージ画像

曲の中ではよく出てくるのに、コントラバス初心者の方にとってはなかなか敷居が高いのが「ピチカート奏法」です。

初心者の方が覚えておいてほしいコントラバスのピチカート奏法の構え方や音質・音量を左右する要素などについてまとめてみました。

コントラバスのピチカート奏法とは

まず、ピチカート奏法とはどのような演奏方法なのかを確認しておきましょう。

「ピチカート奏法」とは、コントラバスの弦を指で弾いて音を出す演奏技法のことを言います。

ピチカート奏法は、楽譜上では「pizz.」と表現されます。

コントラバスの弾き方の1つ、と捉えてください。

一方で、通常のコントラバスを弓で弾く奏法は「アルコ奏法」と言います。

コントラバスのピチカート奏法の構え方

続いて、コントラバスでピチカート奏法をする際の構え方について見ていきましょう。

コントラバスでピチカート奏法をするときの構え方は、以下のようにするのが基本です。

①弓の持ち方を変えます。
ピチカート奏法をする時の弓の持ち方は、小指を毛箱のくぼみのところに入れ、小指と薬指で、弓をしっかり固定します。(この時弓が揺れると楽器にぶつかります。注意して行いましょう)

②親指を指板のE線側につけます。

③人差し指と中指で弦を弾いて演奏します。

実際にコントラバスを演奏する際は、曲の中でピチカート奏法とアルコ奏法の時の構え方と行き来することになるので、弓の持ち替え方の練習をしておくのが良いでしょう。

慣れるとアルコ奏法→ピチカート奏法、ピチカート奏法→アルコ奏法のどちらも楽に一瞬でできるようになります。

ただし楽譜によってはピチカート奏法とアルコ奏法の切り替えがどうしても間に合わない場合というのも存在しますので、同じパートの方同志で分担するなど工夫するようにしましょう。

コントラバスのピチカート奏法の音質に影響する要素

コントラバス演奏においては、ピチカート奏法の音質は弾く指の種類と弦のどの場所を弾くかで変わります。

まずはピチカート奏法の際の弾く指の種類と音質の関係ですが、指が弦に触れる面積が大きい中指の方が、人差し指と比較するとコントラバスから柔らかくて深い音が出ます。

続いては、ピチカート奏法は指のどこでコントラバスを弾くかによっても音質が変わります。同じ理由で、指先より指の腹でピチカート奏法をする方が、柔らかく深い音が出ます。

最後に、ピチカート奏法で弾く指の本数と音質の関係を見ておきましょう。これも同じ理由で、指1本より人差し指と中指の2本でピチカート奏法をする方が、コントラバスを柔らかく深い音をで鳴らすことができます。

そしてコントラバス弦のどの場所を弾くかですが、これはアルコ奏法の時と同じく指板側を弾くほど小さく柔らかい音質、駒側を弾くほど大きく硬い音質となります。

コントラバス初心者の方は、まずいろいろな指と場所でピチカート奏法を弾いてみて、いろいろな音質があるのを良く聴いてみるのがいいでしょう。

その後曲の中に出てくるピチカート奏法の箇所はどんな音質で音を出したいのか考えて、周囲の方と話し合いながら指や場所を少しずつ決めていくようにしましょう。

コントラバスでもピチカート奏法で音を響かせる方法

ピチカート奏法で演奏した時に、よくコントラバス初心者の方は音が小さいという指摘がされるのではないでしょうか。

ピチカート奏法の音量不足をなるべく解消するために、コントラバス奏者に気をつけてほしいことが2つあります。

ピチカート奏法でコントラバスを響かせる1つめのポイントは、まず音を出す時に左手の押弦がしっかりできているか確認するということです。

ピチカート奏法を行った時に開放弦だと良く響くと感じたことはありませんか?

これは弦の端がまくらと駒でしっかり固定されているので、響きが長く続くからなのです。

この状態を押弦した時もしっかりできれば音は響くので、コントラバス初心者の方はぜひ弦が指板から浮いていないか確認するようにしてください。

ピチカート奏法でコントラバスを響かせる2つめのポイントは、ピチカートで移弦した時に、できるだけ次の音のギリギリ手前まで弦をおさえておくようにすることです。

移弦する前は次の音を弾く準備をしてしまうため、コントラバス初心者の方はどうしても音を短くしてしまいがちです。

これを音符の長さの間、しっかりおさえている状態を保つという意識を持つだけでもピチカート奏法の響きは少しずつ残ってくれるようになります。

最初はむずかしく感じますが、練習を繰り返すことによって慣れてきますので、少していねいに練習するようにしてみてください。

ピチカート奏法はアルコ奏法と比較すると練習しなければならないことや気をつけなければならないことが異なるので、コントラバス初心者の方は最初は戸惑うかもしれません。

しかしながら、少しずつでも慣れていくと、ピチカート奏法でもコントラバスを良く響かせることができるようになります。

ここまでで紹介したピチカート奏法でコントラバスを良く鳴らすポイントを、ぜひ試してみてください。

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DoReMi
音楽系教育機関で音楽家の学習や演奏活動を支援しながら、ピアノやソルフェージュなど自身の音楽活動を継続しています。音楽学習者がつまずきやすい音楽の概念を読んで理解できるサイトを創りたいという思いから、「DoReMiOnline」を立ち上げました♪