ソルフェージュとは

【音感・読譜力UP】ソルフェージュとは?意味・目的・やり方・効果

ソルフェージュとは?イメージ画像

ソルフェ―ジュとは?(=音感や読譜のトレーニング)目的・意味・やり方・効果が100%わかる!体験談つき完全ガイドです!

【 ソルフェージュの意味 】
ソルフェージュとは、楽譜を見てドレミで歌ったり、音を聴いて楽譜に書いたりする、音楽の基礎トレーニングのことです。

ソルフェージュをすることによって、音感や読譜力などの音楽の基礎能力を高めることができます。

音楽をするなら「ソルフェージュ」が大切!と言われますが、言葉からはイメージが湧きづらいものです。

「ソルフェージュって何なの?」「どんな効果があるの?」と、私もソルフェージュを始める前は疑問に思っていました。

ところが、いざソルフェージュを習ってみると、ピアノや歌などの実技の練習だけでは身につかない、音楽をする上で大切な能力が育ってきていることを肌で感じています。

そこで今回は、ソルフェージュの意味や目的、やり方、効果などを体験談を交えながらご紹介することによって、ソルフェージュの魅力をお伝えしていきたいと思います♪

まずはじめに、ソルフェージュとは?意味は?についてまとめています。

「目的」「やり方」「効果」「体験談」を読みたい方は以下をクリックしてください!それぞれの内容にジャンプします。

ソルフェージュとは?意味を簡単にわかりやすく

ドレミ
ドレミ
「ソルフェージュ」という言葉の意味をできるだけ簡単にわかりやすくまとめました♪

ソルフェージュの始まりは、イタリア人修道士、グイード・ダレッツォが、宗教音楽を効率的に覚えてもらうために、音に名前をつけたことが始まりでした。

ドレミと五線の画像それから、音楽は各音を「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」という名前で呼ぶようになりました。

さらに、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」のそれぞれの音を五線上に書き表す方法(記譜法)が確立されました。

これらの先人たちがつくり上げた共通のルールにより、作曲家のつくった音楽は、国籍や性別、年齢などに関係なく幅広い演奏家に簡単に効率よく伝わるようになりました。

【 ポイント 】
・音に「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」という名前をつけた
・音を五線上に記号で表すルールを定めた
⇒音楽の伝達が容易に・効率的になった!

そして、ソルフェージュとは、楽譜を見ながら「ドレミファソラシ」で歌ったり(視唱)、聴いた音楽を楽譜に書き起こしたり(聴音)することによって、音楽の世界の共通言語である音の高さや音楽記号を感覚で覚えるためのトレーニングなのです。

楽譜を見てドレミで歌ったり、音を聴いて楽譜にしたりすることによって、音楽学習者は、音感や読譜能力など、音楽に不可欠な能力を育てていくことができます

そして、音感や読譜能力を高めることによって、一つひとつの曲をより効率的に学習できるようになり、また、楽譜から音楽をイメージして表現力を高めることができるのです!

ソルフェージュの画像

実は、音楽は、演奏の技術だけを高めれば良い演奏ができるというわけではありません。

それ以外にも、楽器にせよ歌にせよ、どんな音楽でも必要とされる基礎的な音楽能力を伸ばすことが欠かせません。

このような音楽に必要不可欠な基礎能力は、実技の練習とは別にソルフェージュというトレーニングをすることによって、養うことができるのです。

ピアノや歌など、音楽をするならソルフェージュをした方が良い!と言われる理由はここにあります。

ソルフェージュをせずに音楽をすると言うことは、基礎をおろそかにしたまま技術ばかりを磨くことに他なりません。

そのため、ソルフェージュ能力を高めているかどうかで、長期的に大きな差がついてしまいます。

したがって、音楽を長く続けていくのであれば、歌や楽器を演奏するだけでなく、ソルフェージュで音楽の基礎力も高めていくようにしましょう!

ソルフェージュの目的・意義|何のためにするの?

ドレミ
ドレミ
何のためにソルフェージュをするのか、目的・意義をわかりやすく説明しています♪

ソルフェージュの目的は、「音楽の感覚や基礎的能力を養うこと」にあります

ソルフェージュをやらずにピアノやヴァイオリンなどの演奏技術だけを練習することは、スポーツで言うところの筋トレやランニングをせずに技術練習ばかりするようなものです。

たとえば、テニスの場面を想像してみてください。

ボレーやストロークの練習など技術的な練習ばかりを繰り返しても、実際にコート上でうまく球を打つことはできません。

その理由は、そもそもボールに追いつくだけの脚力がなかったり、ボールを打ち返すだけの腹筋や腕の筋肉などが育っていなかったりするからです。

スポーツでは、技術の練習だけでなくランニングや筋トレなどの基礎トレーニングを重ねることで、やっと実践で使える技術を身につけることができます。

そして、スポーツと同じように、音楽も基礎トレーニングなしでいきなり上手に演奏することはできないのです。

たとえば、楽譜上でのドからシまでの音の位置を覚えたとしても、いきなり楽譜を見てそれらを瞬時に見分けることはできません。

ましてや、楽譜を見ながら口や指を動かして演奏するなんて、いきなりできるものではありません。

何度も譜読みを繰り返し、また、楽譜を読みながら演奏することを繰り返すことによって、ようやく楽譜を読んで曲をイメージし演奏できるようになるのです。

そして、ソルフェージュは、スポーツでいうところのランニングや筋トレのように、音楽の基礎的な能力を鍛えるトレーニングに当たります

ソルフェージュでは、聴いた音を楽譜に書き取ったり、楽譜を見ながら歌ったりすることによって、音楽の決まりごとを体の感覚として覚えていきます。

このような地道な基礎トレーニングを繰り返すことによって、音を聴き取る能力や楽譜を見て音をイメージする能力などの音楽の基礎体力が養われるのです。

ソルフェージュのやり方・練習方法|聴音・視唱って具体的に何をするの?

ドレミ
ドレミ
聴音?視唱?ソルフェージュの具体的なやり方を、実際に使ったノートなどを交えて詳しくご紹介♪

ここまでで、ソルフェージュとは何か(意味)、そして、ソルフェージュは何のためにするのか(目的)ということについてお話ししました。

続いて、ソルフェージュとは具体的にどのようなことをするのか(=やり方)についてまとめました。

実際にソルフェージュのレッスンで使ったノートの画像なども載せていますので、ぜひご覧になってみてください♪

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ソルフェージュには、聴音・視唱・楽典の実践・リズム打ち・初見奏・楽曲分析など、実に幅広い内容のトレーニングがあります。

その中でも、ソルフェージュの根幹を成すトレーニングは、①聴音ソルフェージュ と②視唱ソルフェージュ と呼ばれるものです。

ここからは、聴音と視唱の詳しいやり方を確認した後に、ソルフェージュと楽典の関係性についても触れておきたいと思います。

聴音ソルフェージュとは?

ソルフェージュの主要な内容の1つは、「聴音」です。

聴音とは、演奏されたメロディや和音などを五線上に音符などの記号で書き表していくトレーニングです

聴音のイメージ

聴音ソルフェージュではまず、五線紙と呼ばれる、五線がたくさん書かれた紙を用意します。

以下の画像のようなもので、たいていはノート状に五線紙が束になった「五線ノート」を使用します。

五線紙

この五線紙の上に、音部記号(ト音記号・ヘ音記号など)や拍子記号(例:3/4拍子など)、音符などを記入していき、楽譜を完成させていきます。

また、鉛筆(もしくはシャーペン)と消しゴムの用意も必須です。基本的に、ソルフェージュでは書くだけでなく、消して書き直すことも多々あります。

音の聴き取りを始める前に、まずは音部記号(ト音記号・ヘ音記号など)や拍子(4/4拍子・6/8拍子など)が指定されます。

また、8小節・16小節など小節の数も指定されるので、音部記号や拍子、小節線、終止線などを先に書き込んでおきます。

音部記号や拍子などを書き終えたら、いよいよメロディの聴き取りです。

演奏された音の高さや長さなどを自分の頭の中で記号化しながら、五線上に音符などの記号で書き表していきます。

以下は、過去に私が聴音ソルフェージュで書き上げた楽譜の見本です。

聴音ソルフェージュの見本画像

実際に五線紙に音楽記号を書いているときには、様々なことを頭の中で考えます。

たとえば、音符はドレミファソラシドの何の音か(音の高さ)、その音は何拍か(音の長さ)、臨時記号がついていそうだ、この部分は調が変わっている(音の機能)、などです。

このように、聴いた音を自分の頭というフィルターを通して楽譜にすることで、楽譜上の記号と実際の音やフレーズが頭の中で結びついていきます。これこそが、ソルフェージュの本質なのです。

楽典の本などを読んで、音の高さや長さなどを理屈で理解することは、そんなにむずかしいことではありません。

しかしながら、音楽の理論をいちいち理屈で考えずに反射的に使いこなせるようになるためには、相応の量のトレーニングする必要があります。

この、「知っている・わかる」を反射的に「できる」にするトレーニングこそが、ソルフェージュであると言えるのです。

ソルフェージュのやり方・手順に話を戻しましょう。

基本的に、ソルフェージュのメロディは、先生がピアノなどを使用して演奏します。

私が習っているソルフェージュの先生は、通奏(=曲全体を演奏)→いくつかに分けて部分演奏(複数回)→確認の通奏→自信がない部分の部分演奏→答え合わせという順で聴音を行います。

答え合わせの段階では、間違っている部分などに、楽典的な考え方などと絡めながら解説が入ります。

そして、解説を聞いて正しい楽譜が完成したら、自分が書いた楽譜を見ながら通しで歌うのが一般的です。

ここまでが聴音ソルフェージュの一般的な手順です。最後に聴音の手順を簡単にまとめておきます。

【 聴音の手順 】
五線紙を用意する
終止線や音部記号など与えられた条件を先に書いておく
演奏を聴きながら音符などの記号を記入する
わからないところがあってもまずは楽譜を完成させる
模範解答と自分の楽譜を見比べながら答え合わせする
間違えた個所を確認・修正する
完成した楽譜を見ながら通しで歌ってみる

視唱ソルフェージュとは?

ソルフェージュには、欠かすことのできないもう一つのトレーニングがあります。

それは「視唱ソルフェージュ」と呼ばれるトレーニングです。

視唱とは、楽譜を見ながら書かれた音符を声に出してドレミで歌うことです

視唱の画像

まず前提として、視唱ソルフェージュでは楽譜を見ながら書かれている記号をドレミで歌います。

国や地域によって、各音には「ドレミファソラシド」「CDEFGAHC」「ハニホヘトイロハ」など、様々な呼び方があります。

しかしながら、ソルフェージュを行うにあたっては、音として口ずさみやすい「ドレミファソラシド」で歌うことが一般的です

そしいて、視唱には大きく分けて ①「聴音で書いた楽譜を見て歌う」、②「初見の曲を歌う」 という2つのスタイルがあります。

①の「聴音で書いた楽譜を見て歌う」は、文字通り、上述の「聴音」で聴き取ってつくりあげた楽譜を見ながらドレミで歌うことを指します。

基本的には、先生が伴奏をつけてくださるので、それに合わせて歌っていきます。

自分で書いた楽譜であるのに、楽譜を見ながら歌うというのは意外とむずかしいものです。

それぞれの音符が何拍であるかを見極めたり、先の音は何の音であるのかを先読みしたりする必要があります。

また、歌う時の楽器は自分の声ですから、自分で音符の示す音の高さに声の高さを合わせなければなりません。

となり合う音同士くらいならまだなんとかなりますが、音が飛んだり、臨時記号が入ったりすると難易度が高くなります。

歌ってみて、きちんと音の高さを合わせることができたか、正しいリズムで歌えたかといったポイントを確認し、自然にできるようになるまで繰り返し歌うようにしましょう。

【聴音で書いた楽譜を歌う手順】
聴音で楽譜を完成させる
答え合わせをして正しい楽譜に修正する
書き上げた楽譜を見ながら歌う
きちんと正しい音の高さやリズムで発声できているかを確認する

続いて、②の「初見の曲を歌う」は、その場で見たことのない楽譜を渡されて、それを見ながら初見で歌います。

このような方法は「新曲視唱」と呼ばれ、音大の入試科目の1つにもなっています。

新曲視唱のやり方ですが、まず、初めて見る楽譜が先生より渡されます。

受け取ったら、少しだけ確認の時間が与えられます。曲の全体像や展開を短い時間の中で確認しなければなりません。

確認の時間が終わると、いよいよ歌い始めます。聴音したものを視唱するのに比べて、メロディを聴いたことがない分、難易度が高くなります。

聴音した楽曲にせよ新曲にせよ、視唱をする際には、歌っている部分の少し先を先読みしながら歌うことが、うまく歌うための1つのポイントです。

新曲視唱の場合も、リズムや音の高さなどが正しく発生できているかを確認して、完璧にできるようになるまで繰り返し歌って覚えましょう。

【初見の楽譜を歌う手順】
初見の楽譜を手に取る
限られた時間の中で楽譜の展開をざっと読む
楽譜を見ながらドレミで歌う
きちんと正しい音の高さやリズムで発声できているかを確認する

ところで、視唱したものは、一度歌っただけではまだ体で覚えていないのが普通です。

そのため、スポーツで言う素振りと同じように、何度も譜面を見ながら自分で歌うことで、体に覚えさせることが大切です。

目で見て反射的に歌えるくらい反復することで、読譜力や初見力といった演奏に必要な力を効果的に高めることができます。

ソルフェージュは聴音・視唱だけに限らない

ここまで、ソルフェージュの基本となる「聴音」と「視唱」という2つのトレーニングについてご紹介しました。

ところで、ソルフェージュの内容は、聴音・視唱だけにとどまりません。

その他にも、リズムトレーニングや楽曲分析、鍵盤を用いた初見奏や移調奏など、幅広い内容のトレーニングがあります。

このように並べてみると内容がぼやけてしまうように感じますが、ソルフェージュの本質は、ソルフェージュの目的のところでお話ししたように、「音感や読譜能力などの音楽の基礎的能力の向上」にあるのです。

聴音や視唱で音楽の基礎体力を向上させながら、レベルアップしていったらソルフェージュのその他の種類のトレーニングにも挑戦していきましょう。

ソルフェ―ジュの「独学」について
ここでは主にソルフェージュのレッスンを受ける場合を想定してやり方をまとめました。

ただ、先生に習うのではなく、独学で自分のペースでソルフェージュを学んでという方も少なくありません。

そんな方のために、ソルフェージュの独学の方法についても詳しくまとめています。

独学にご興味のある方は以下のページもあわせてご参照ください。

ソルフェージュの「固定ド」「移動ド」とは?
ところで、ソルフェージュのやり方には2通りの方法があります。

というのも、実は視唱ソルフェージュを行う際には、ドレミ~の位置が調によって変わる方法と変わらない方法とがあるのです。

そして、ドレミ~の位置が変わるものは「移動ド(唱法)」、ドレミの位置が変わらないものは「固定ド(唱法)」と呼ばれています。

「固定ド唱法」とは、主音(=楽曲の主役となる音)や調が変化しても、「ドレミ~」の位置が変化しない視唱の方法です。

以下のページで、「固定ド」と「移動ド」の違いやそれぞれのメリット・デメリットについてさらに詳しく説明しているので、あわせてご参照ください。

ソルフェージュの効果|どんな力がつくの?

ドレミ
ドレミ
ソルフェージュを続けるとどんな能力が育つのかを詳しくまとめました♪

ソルフェージュの意味や目的、やり方に続いて、ここからはソルフェージュの「効果」について詳しくお話しします。

ソルフェージュでどんな力がつくのか、イメージを膨らませていきましょう!

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ソルフェージュの4つの効果とは?

音楽をしていく上ではソルフェージュ能力は不可欠だと言われますが、ソルフェージュを続けていくと、どのような力が身につくのでしょうか。

実は、ソルフェージュを続けると、大きく分けて以下の4つの効果があります。

① 音に対する「感覚」が養われる
② 音と楽典(音楽理論)が結びつく
③ 音を聴き取る力が向上する
④ 楽譜を見て音楽がイメージできるようになる

これらの4つの力について、順番に見ていきましょう。

音に対する「感覚」が養われる

ソルフェージュを継続すると、音に対する「感覚」が養われます

ただ、音に対する感覚と言っても、具体的にどのような感覚が育つのでしょうか。

以下は、ソルフェージュによって育まれる音楽感覚をまとめたものです。

  • 音感ー音の高さ(ドレミファソラシドや変化記号♯♭など)を識別できる能力。
  • 拍感やリズム感ー拍(小節の中の強い部分と弱い部分)やリズム(音の長短やその変化)を判別できる能力。
  • 和声感やフレーズ感ー和声(複数の音が組み合わさってできる響き)やフレーズ(一つひとつの音ではなく意味のあるかたまり)をとらえる能力。

これらの音に対する感覚とはどのようなのもか、以下で詳しく見ていきましょう。

●音感
「絶対音感」や「相対音感」という言葉は、誰もが耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。

絶対音感や相対音感は、複数の種類がある音の「高さ」を識別することができる能力です。

基本的には、音を聴いて、それを「ドレミファソラシ」という言葉で音の高さを認識します

ソルフェージュを続けることで、音を聴いて自然と音の高さを「ドレミファソラシド」という言葉で捉えることができるようになるのです。

この点に関しては、テンプル大学の助教を務めるMichael Kleinが、ソルフェージュの効果として指摘しているので引用します。

In most cultures solmization is a way of naming pitches, identifying relationships between pitches, representing a modal scheme (an arrangement of the different sizes of musical steps), or a combination of these. People who use solfège syllables are associating a “word” with a pitch, or with a place on a scale, or with a relationship (interval). Though we can certainly learn to hear these relationships without a solfège system, most cultures have found that solmization is a way of becoming facile with pitch, of rationalizing sound. Imagine trying to represent colors to yourself and to others without words for those colors. Solmization gives words to pitch.
――Michael Klein “Why do I have to sing in solfege??” (https://astro.temple.edu/~mklein01/solfege%3F.htm)より抜粋

【 日本語訳 】
大部分の文化において、ソルミゼーション* は、音の高さに名前をつけたり、それぞれの高さの音の関係を特定したり、音階の配列(異なった大きさの音程の並び)を表したりする方法、またはそれらの組み合わせである。ソルフェージュ階名を用いる人々は、ある音の高さに対して特定の「言葉」や、音階の特定の箇所、音の関連性(音程)を連想する。このような音同士の関係性をソルフェージュという方法なしで学ぶことも確かに可能ではあるが、大部分の文化において、ソルミゼーションは音楽の音の高さに慣れ親しみ、音を理論的に解釈するための手段と捉えられている。色を、その色を表す言葉を使わずに自分自身や他者に説明するのを想像してみて欲しい。ソルミゼーションによって、音の高さは言葉で表現され得るのである。
*ソルミゼーション―ソルフェージュの別称

つまり、色が「青」や「赤」といった言葉で表現されることによって記憶され共有されるように、音も、「ド」や「レ」といった言葉で表現されることによって識別され共有されるのです。

●拍感やリズム感
ソルフェージュの効果として、拍感やリズム感も養われます。

「拍」は、人間でいうところの脈のようなもので、楽曲全体を通して一定の間隔で存在する「ドッ・ドッ・ドッ・ドッ・・・」という鼓動のことです。

「ドッ・ドッ・ドッ・ドッ・・・」と脈打っている部分は強拍と呼ばれ、その間の部分である弱拍と区別されます。

また、「リズム」とは、ある一定の範囲における複数の音(または休止)の長さの組み合わせのことです。

楽曲は、「ターターター」「タータタ」「タタタタ」など、様々なリズムの音で構成されています。

強拍と弱拍の長さや間隔、音や休符がつくり出すリズムの種類などは曲によって様々に異なります。

そして、ソルフェージュのトレーニングを重ねることで、このような「音の長さ」や「音の強弱」に関する感覚を養うことができるのです。

●和声感やフレーズ感
音楽には、独立した単体の音(=単旋律)だけでなく、複数の組み合わさった音も用いられます。

このような複数の音が組み合わさってできた音を「和音」と言い、また、和音の進行に関する規則を「和声」と言います。

また、音は前後の音と独立して存在するわけではなく、前後の音と密接に関連し合って存在しています。

これはつまり、同じ種類の音であっても、前後の音が違えば感じ方や機能が異なる、ということです。

すなわち、音は単体ではなくフレーズで意味を成しているのです。音の文脈と考えるといいかもしれませんね。

そして、ソルフェージュを続けることによって、このような和声の感覚やフレーズの感覚が養われていきます。

これはつまり、音を同時に演奏される音や前後で演奏される音との関係性で捉えられるようになる、ということです。

以上で確認したように、音の高さや長さ、強弱、関係性などに対する感覚にはさまざまな種類があります。

そして、このような音に対する感覚は、実際の音楽に触れながら行うトレーニングであるソルフェージュによってこそ、培われるものなのです。

音と楽典(音楽理論)が結びつく

ソルフェージュをすることの効果として、実際の音と楽典(音楽理論)が結び付くようになることが挙げられます

楽典とは、たとえば以下のようなものを指しています。

・音符や休符の種類
・ト音記号やヘ音記号などの音部記号
・4/4拍子や3/4拍子など、拍子や音の長さ
・♯や♭などの変化記号
・ハ長調やト長調、イ短調などの調

たとえば、3/4拍子や2/4拍子など、小節内に入る音符の長さや数などを意識することによって、拍子というものが理解できるようになります。

また、ソルフェージュの効果の最たるものは、「調」への理解が深まることです。

「調」は、音楽でものすごく大切な概念でありながらも、最初はなかなかイメージが湧きにくいものです。

しかしながら、調号(♯や♭)がなくもっとも簡単なハ長調を聴音することから始め、平行調で調合のないイ短調の曲や、調号の一つ増えたト長調などに段階的にステップアップしていくことで、調に対する理解がどんどん深まってきます。

これらは身につく音楽理論の一部に過ぎませんが、このように実際の音楽に触れながらそれらは理論的にどうなっているのかを考えることによって、楽典が実際の音と結びついて理解できるようになるのです。

音を聴き取る力が向上する

ソルフェージュの訓練を積み重ねることによって、聴音能力(=音を聴き取る力)を高めることができます

ここで言う聴音能力とは、曲を聴いて、それを楽譜に起こしたり曲として演奏する能力と考えてください。

音感との違いは、音感は音を聴いて識別できる能力であるのに対して、聴音能力はそこからさらに踏み込んで、聴いたものを実際に活用できる能力であるということです。

ソルフェージュを始める前は、音楽を聴いても得られる情報は多くありません。

しかしながら、ソルフェージュを続けることによって、音の高さや調の変化、和音の配置など、曲からたくさんの情報を読み取り、識別して記号化することができるようになります

たとえば、音楽を聴いてそれを楽譜や演奏で再現する「耳コピ」と呼ばれる能力があります。

この「耳コピ」は、ソルフェージュの聴音能力を高めることで獲得できる能力です。

つまり、ソルフェージュを続けた先には、演奏された曲を聴き取って、自分で活用することができる能力を身につけることができるのです。

楽譜を見て音楽がイメージできるようになる

ソルフェージュを継続することによって、楽譜を見て頭の中で音楽がイメージできるようになります

音楽を始めたばかりのころは、楽譜を読むのにとても時間がかかるものです。

ある音符の音の高さをわかる音符から順に数えないとわからなかったり、音符の種類が違っても音の長さがすぐに出てこなかったりします。

しかしながら、ソルフェージュを続けることによって、音の高さや長さ、曲の変化などを一歩一歩止まって考えなくても、感覚的に瞬時に読み取ることができるようになります

この点に関しては、国境を越えて音楽教育を展開するHarmony Road Music CourseのWebサイトで言及されているので引用します。

Once a student internalizes solfege syllables, the world of music opens to them. When syllables are associated with notes, students as they develop their musicianship can mentally hear pitches and sing them the first time they see a score.
――Harmony Road Music Course “What Is Solfege Singing?” (https://www.harmonyroadmusic.com/blog/what-is-solfege-singing/)より抜粋

【 日本語訳 】
ソルフェージュの階名(=音の名前)を体で覚えた人には、音楽の世界への扉が開きます。音の名前が音符と一致するようになれば、音楽の能力を開発していくほどに音を頭の中で聴き取れるようになり、初めて見た楽譜でも歌うことができるようになります。

つまり、ソルフェージュを続けていけば、音の高さ・音の名前と楽譜上の音符とが一致するようになり、聴いた音や楽譜上の音を頭の中でイメージできるようになる、ということです。

たとえば、音楽マンガなどではよく楽譜を見ながら指を動かしている演奏者の姿が描かれます。

あのような場面では、楽譜を見ながら心の中で実際に音楽を演奏しているのです。

私も、電車での移動中など、音楽の本や楽譜などを見ながら心の中で曲を演奏しながら、楽器なしで音楽学習を進めることができるようになってきました。

楽譜を見て音をイメージする力とは、具体的には、以下のような能力を指しています。

・楽譜を読みながら演奏する力
・初見で演奏する力
・楽譜の音を正しい高さで歌う力
・音がなくても心の中で音楽を奏でる力

ソルフェージュを続けることによって、楽譜を瞬時に読み取り、たとえ音が鳴っていなくても自分の心の中でメロディを奏でることができるようになります。

そして、楽譜から音楽をイメージできるようになれば、曲を短時間で習得できるようになり、表現力も格段にアップします。

音楽をずっと続けていくのであれば、ぜひソルフェージュを続けて、音をイメージする力を高めていってください♪

ソルフェージュ体験談|ソルフェージュを学んで何が変わったのか?

ソルフェージュのやり方や効果などに続いて、ピアノと一緒にソルフェージュを続けてきた私の体験談を詳しくお話しします。

実際にどんなことをして、どんな変化が起こったのか、ソルフェージュのレッスンのイメージを具体的にお伝えできればと思います。

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私がピアノを始めて、1年半が経ちました。

大人になってから音楽を始めた私でも、音楽の理論や法則が感覚としてぐんぐん身についていっているのを感じています。

その理由は、ピアノのレッスンだけでなく、音楽の基礎トレーニングである「ソルフェージュ」のレッスンを受けているからです。

ここからは、ソルフェージュを習おうと思った理由や、受けてみた感じた変化、実際にどんなことをしているかなどをご紹介したいと思います。

ソルフェージュを習い始めたきっかけは?

私が音楽教室に入会する時に申し込もうと考えていたのは、「ピアノ」だけでした。その時は、「ソルフェージュ」という言葉は聞いたこともありませんでした。

ただ、音楽教室のラインナップを見ていると、「ピアノコース」「声楽コース」などと並んで、「ソルフェージュコース」がありました。

気になったのでソルフェージュの内容についてちょっと聞いてみると、楽譜を読んだり歌ったりするものである、と。

…やはりよくわかりません。よくわからないのですが、なぜかソルフェージュが気になって仕方がありませんでした。

ソルフェージュとはどういうものなのか知っておきたい。そして、ピアノの向上に必要ならやってみたい。

そんな思いから、気づいたらソルフェージュの体験レッスンに申し込んでしまっていました。

体験レッスンでは、楽譜の基本的な書き方を学んだあと、簡単な聴音(音を聴き取ってノートに書く)をやってみました。

音楽の演奏技術を学ぶと言うよりは、音楽の理論を体で覚えると言うような印象を受けました。

聴音の画像

やってみて感じたのは、楽典の本などを読んでなんとなく「知っている」ことでも、いざ音楽に向き合ってみると全然「使いこなせる」状態ではないということでした。

そして、実際に知識を頭の中から引き出して使ってみることによって、やっと実践で使える知識へと変換することができる、ということがわかりました。

…そうなんです。ソルフェージュとは、音楽の世界の概念・法則・理論などを感覚で覚えるトレーニングのことだったのです

音楽の「知っている」を「できる」にするためのトレーニングと言い換えてもいいかもしれません。

ソルフェージュの魅力に憑りつかれた私は、ソルフェージュのレッスンに迷わず申し込みをしました。

ソルフェージュのレッスンでは実際に何をするのか

ソルフェージュを始めてから、実に様々なことに取り組んできました。

最初は記号の書き方から

最初はそれこそ、ト音記号の書き方からでした?

ご存知ですか?ト音記号の真ん中の線ってまっすぐではなくてななめなんですよ笑

それから、聴音を始める際の手順を教わりました。

楽譜に音部記号(ト音記号など)を書き、続いて拍子記号(4/4拍子など)を書き、続いて小節線や終止線を書きます。

下準備が整ったら、演奏を聴いて楽譜に書き起こしてみました。

最初は全然スピードが足りません。それもぞのはず、一音一音きれいに丸を書いて、ていねいに棒線を引いて・・・間に合うはずがありませんよね。

音の高さなどを点で書いておいて、後で付け足していくのが正しい方法だと教わりました。

調について

調についても、少しづつ理解を深めています。

最初はもちろん、調号(楽譜の最初にある♯や♭のこと)のことのないハ長調から始まります。

そして、慣れてきたら、イ短調に移ります。長調と違い、短調は和声短音階や旋律短音階などについても理解していかなければなりません。

さらに学習が進むと、いよいよ調号がついてきます。現在、ト長調やホ短調、へ長調などに進み、調に対する理解を深めていっています。

拍子について

拍子も、様々な種類のものが登場します。

最初は最もスタンダードな4/4拍子から始まり、次第に3/4拍子や2/4拍子などが登場するようになります。

最近では、6/8拍子なんていうものも登場します。8分音符3つ分をひとかたまりと数える拍子なので、慣れるまでは拍をとるのが大変です。

このように、拍子についても、簡単なものから始め徐々に複雑なものにも取り組むようになっていきます。

様々な記号の登場

学習が進んでいくと、様々な種類の音楽記号が登場します。

たとえば、音符ひとつとっても、四分音符だけでなく、十六分音符が出てきたり、符点がついたりします。

休符も、四分音符や八分休符が登場し、最近の6/8拍子では四分休符と八分休符が組み合わせて出てきたりします。

学習が進んできたので、音節を越えて音がつながることを表す「タイ」なども登場するようになりました。(同じ音同士を結んでいる◡や⌒などです)

このように、ソルフェージュの学習が進むと、実に様々な記号が登場し、楽譜に対する理解が深まっていきます。

新曲視唱にも挑戦

ソルフェージュのレッスンでは、今のところ聴音をすることが多いですが、時々忘れたころに新曲視唱もやります。

新曲視唱とは、初めて見る楽譜を少しだけ眺めた後に、すぐに楽譜を見ながら歌うトレーニングです。

初めて見る楽譜を、音の高さや長さなどを考えながら歌うのは本当にんむすかしいことです。

音の高さも、基本的には自分の感覚を頼りに合わせなければなりません。

すごく集中力を使うトレーニングで疲れますが、以前よりむずかしい楽譜も初見で歌えるようになると、読譜力の向上を感じることができます!

リズム聴音なんてものもある

また、最近では「リズム聴音」なるトレーニングまで登場するようになりました。

リズム聴音とは、メロディは同じ音が続きますが、音の「長さ」が変化する聴音です。私の先生はずっと「ラ」の音でリズムを変えて演奏します。

これが、やってみると思っていた以上にむずかしいです。私はまだ満足まだ満足にできるレベルで聴き取れたことがありません。

リズムだけを楽譜にするのがいかに困難であるかということがわかります。

ソルフェージュを続けてみて感じる変化

そして、1年以上ソルフェージュを継続していますが、たとえば以下のような効果を実感しています。

  • 五線上の音の高さを読む速さの向上
  • 調性や音階への感覚的理解の深化
  • 拍子やリズムなどの感覚の発達
  • ドレミ~を聴き分ける力の向上
  • 発声時の音程の正確性アップ
  • 歌心のある演奏の習得

ソルフェージュを継続した今だから言えることだから言えることですが、ソルフェージュを申し込んで本当に良かったと思っています。

私のような趣味の延長で音楽をする人だけでなく、本格的に音楽をする人にもソルフェージュによって身につく能力は必ず必要になります。

その証拠に、音楽を本気で志す人が集まる音大でも、「ソルフェージュ」は必修科目としてカリキュラムに組み込まれています。

ソルフェージュをすることで、演奏技術にとどまらない、音楽の基礎的な感覚を磨くことができます。

いわば、ソルフェージュとは、時に難解な概念を携えた「音楽」とより親密になるために必要な時間なのです

なので、実技だけでなくソルフェージュもやろうか迷っている方は、ぜひソルフェージュも一緒にやることを心からおすすめします。

ソルフェージュのトレーニングを重ねることで、音楽の世界の深淵に飛び込んでいっても揺らぐことのない、確かな土台を自分の中に築いていってください!!

その他、ソルフェージュに関するトピックは以下にまとめていますのであわせてご参照ください♪

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DoReMi
音楽系教育機関で音楽家の学習や演奏活動を支援しながら、ピアノやソルフェージュなど自身の音楽活動を継続しています。音楽学習者がつまずきやすい音楽の概念を読んで理解できるサイトを創りたいという思いから、「DoReMiOnline」を立ち上げました♪