ソルフェージュの独学方法

ソルフェージュの独学は可能?正しいやり方やおすすめの教材・Webサイトは?

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ソルフェージュ独学派必見!予め必要な知識・能力や方法、おすすめ教材・アプリなど、ソルフェージュ独学の完全ガイド。

ソルフェージュとは、音を聴いて書き取ったり、楽譜を見ながら歌ったりすることで、音感や読譜力などの音楽の基礎力を総合的に高めるトレーニングのことです。

ソルフェージュに興味がある方の中には、金銭的な事情で独学したい、自分のペースで進めていきたいといった方もいらっしゃいます。

そんなソルフェージュ「独学派」の方のために、このページでは独学をするに際して身につけておきたい知識・能力やソルフェージュを進める際のポイントややり方、おすすめの教材などをご紹介します。

ソルフェージュの独学は可能か?

まず、ソルフェージュは独学で進めることはできるのでしょうか?

この点については、条件付きでYESです。

ほんの少しの基礎と、ソルフェージュの正しいやり方を知った上であれば、ソルフェージュを自力で学習していくことも可能です。

ソルフェージュの独学可能性について、検索上位に表示される英文サイトでは以下のように説明されています。

Self-taught players: with a good and clear method, a metronome (for rhythm), and a bit of work and perseverance, teaching yourself solfege is possible,
――The Superprof Blog "Is it preferable to learn solfege before starting on the piano?"より引用。

【 日本語訳 】
独学の学習者:優れた明快な方法と、(リズムのための)メトロノーム、ある程度の労力と忍耐力をもってすれば、ソルフェージュを自分で学ぶことは可能である。

やはりここでも、きちんと方法を知っておくことの重要性に言及されています。

ただし、何事においてもそうですが、独学というのは遠回りな道であることもまた確かです。

たとえば、野球の例で考えてみましょう。

ひとりで素振りをしたり、バッティングセンターに通ったりすれば、ある程度は球を打てるようにはなります。

ただ、自己流で身につけたものであれば、レベルが上がっていくにつれてフォームの修正などを迫られる可能性が出てきます。

一方で、最初から野球上級者に正しいフォームを教わっていれば、自分で学ぶよりは少ない時間と労力で活躍できるようになる可能性が極めて高いです。

そのため、ソルフェージュも金銭面などが許すのであれば、(特に最初は)プロの先生から教わった方が習得する時間や労力を節約できるのは間違いありません。

とはいえ、独学も自分で調べたりしながら根気強くやれば可能です。

そして、独学でソルフェージュを学ぶためには、先に身につけておかないといけない知識や能力があります。

というわけで、次章ではソルフェージュの独学に際して先に身につけておきたい知識や能力を確認しておきましょう。

独学に際して事前に身につけておきたい知識・スキル

ソルフェージュを独学するにあたっては、最低限身につけておかなければならない知識やスキルがあります。

というのも、全く何も知らない状態では、自ら学んでいくことができないからです。

たとえば、将棋の例で考えてみましょう。ルールやコマの知識などの最低限の知識がない状態で、学習を進めていくことはできるでしょうか?

答えはもちろんNOですよね。

駒を動かして相手の王将を取るゲームであるというゴールや、それぞれの駒の動かし方、相手陣地で成ることなどは、最低限事前に知っておかなければならない知識です。

そして、ソルフェ―ジュにも同様に、事前に身につけておく必要がある知識やスキルがあるのです。たとえば、以下のようなものです。

・ドレミファソラシド程度は聴き取れる音感
・楽典の知識
→リズムと拍子・音の高さと五線の関係・小節線や終止線・基礎的な和音 など

たとえば、音感が全くゼロの状態を考えてみましょう。

ドレミすらわからない状態であると、音を聴き取ろうと思っても、演奏されている音が何の音であるか全く見当がつきません。

リズムに関しても同様です。四分音符や八分音符など音の長さに関する知識が全くない状態では、いくらメロディが流れても、それぞれの音の長さの違いを識別することができません。

このような場合には、ソルフェージュのトレーニングに入る前に、最低限の音感やリズム感を身につけるところから始めましょう。

最近では、このような基礎的な力を身につける教材も充実しています。

お子様向けの教材なども、基礎の基礎から入るのでゼロから始める大人の方にもおすすめです。

ドレミの歌などの身近でとっつきやすい曲から少しずつドレミに慣れ親しんでいくようにしましょう。

音感ドレミファソラシド

小鳩くるみ, 土屋朱帆, 田中星児 他 (著)

リズム感が良くなる「体内メトロノーム」トレーニング (CD付)

ソルフェージを独学で進める場合のポイントは?

ソルフェージュを独学で進める場合、レッスンを受けるのと何が違うのでしょうか?

まず、ソルフェージュを独学する場合は、やり方を自分で考えなければなりません。

レッスンの場合は、先生が進度に応じて適切な問題を選び、聴音や視唱の課題を与えてくださいます。

しかしながら、独学の場合には課題が先生から自動的に与えられるわけでないので、やり方や進度などを自分で考えて進めていく必要があります。

また、ソルフェージュのレッスンでは曲を先生が演奏してくれますが、独学では先生の演奏はありません。

したがって、自分で演奏するか、何らかのソルフェージュ用の音源を容姿る必要があると言えます。

以上を考慮すると、ソルフェージュを独学で進める際のポイントは、以下の2点です。

①ソルフェージュの効果的なやり方を先に知っておくこと

②曲の音声がついた教材を使用すること

これらを踏まえて、ソルフェージュの具体的なやり方や、教材選びのポイントについて見ていきましょう。

ソルフェージュの独学の方法は?

では、ソルフェージュを独学する際の、具体的なやり方について見ていきましょう。

ソルフェージュを独学ではなくレッスンで学習する場合には、以下のような手順が一般的です。

①先生が演奏するピアノなどの演奏を聴きながら音を書きとる(聴音)

②書きとった楽譜を見ながら歌う(視唱)

③間違った部分や注意点などの楽典的解説を聞く

これに沿って、独学の場合のソルフェージュも以下のような手順で進めるようにしましょう。

①音声を繰り返し聴きながら、楽譜に音符などの記号を書き込む(聴音)

②解答と自分の書いた楽譜を照らし合わせて答え合わせをする

③間違った部分は本やネットなどで理由を確認する

④楽譜を見ながら繰り返し歌う(視唱)

意外と大事なのは、④の視唱です。

私もソルフェージュを学んでいますが、一度聴き取った楽譜を聴きっぱなしにするのではなく、何度も繰り返して歌うことが大事だと先生から口を酸っぱくして言われます。

実際に、聴音ソルフェージュで書きとった楽譜を繰り返し歌ったかどうかで、その後のレッスンでの上達度合いが全然違います。

なので、どんどん先に進んでいきたい気持ちもよくわかりますが、一度立ち止まって歌ってみることも忘れないようにしてください!

ソルフェージュの独学におすすめの参考書は?

続いて、ソルフェージュの独学に適した教材というのはどのようなものでしょうか。

一番大事なポイントは、聴音の曲の音源がついているかどうかでしょう。

聴音ソルフェージュで書きとるときには、自分で演奏するわけにもいきませんから、はじめから音声データがついている教材を選ぶようにしましょう。

以下に、おすすめの教材をご紹介します

「受験生のための聴音」(フォンテック)

この教材の特徴は、簡単な問題から始まり、問題数も豊富なことです。

音声CDに解答冊子がついているので、オーディオプレイヤーで曲を聴きながら書きとり、答え合わせをするところまで、全て独学で行うことができます。

単旋律(音が1つ)→二声(音が2つ)→和声(音が複数)というシリーズになっているので、ソルフェージュ力の向上と共にどんどん次のステップへと進んでいきましょう。

大人のための音感トレーニング

この教材も、CD音源がついていて、独学でソルフェージュを学べるようにつくられています。

ドレミの歌などとっつきやすい曲から始まるので、ほんの少しの基礎があれば十分についていけるレベルです。

音程の数え方など楽典的な解説にも紙面が割かれているので、そういった解説も一冊の本でカバーしたい方にはうってつけです。

聴音ソルフェージュを独学する際のチェックポイント

聴音ソルフェージュを独学する際には、面倒でも一つひとつきちんと正しく楽譜をかけているか、細部まできちんと確認しながら進めていきましょう。

たとえば、以下のような点に注意してみましょう。

  • 音部記号(ト音記号・ヘ音記号など)をきちんと書いているか
  • 正しい拍子記号が書けているか
  • 音符や休符の拍の数は正しいか
  • 調号は正しくかけているか
  • 2段目以降も書くべき記号をきちんと書いているか
  • 符点など忘れていないか
  • 終止線などを書き忘れていないか

以上はあくまでも例の一部です。

大事なことは、細かいところをなんとなくで済ますのではなく、きちんと逐一確認することです。

そして、ソルフェージュを独学でする場合には、わからないところがあれば楽典の本やGoogle検索などで自分で調べてみることが不可欠です。

実際に自分で楽譜を書いて見て、わからなかったら自分で調べることによって、はじめて理論が身についていきます。

そのため、独学のソルフェージュでも面倒くさがらずに自分で調べる癖をつけておきましょう。

スマホで気軽に!ソルフェージュを独学しよう

また、最近はスマートフォンなどで学習できるソルフェージュのアプリも充実してきています。

ソルフェージュ・アプリの良いところは、スマートフォン一台あればできるため、自分の好きな場所やタイミングで学べることでしょう。

また、先生に演奏してもらうなどの必要がないため、自分のペースで先に進んだり復習したりすることができます。

そんなソルフェージュのアプリには、大きく分けて以下のような種類のものに分かれます。

  • 音感を高めるもの
  • 読譜力を伸ばすもの
  • 正しい音程で歌う力を育むもの

目的別のものがほとんどであるため、自分の伸ばしたいところを重点的にトレーニングすることも可能です。

ソルフェージュのレッスンを補完する教材として利用しても良いでしょう。

ソルフェージュのアプリは目的別に種類もたくさんなるので、以下のページでレビューしています。

AndroidとiOSで分けてご紹介していますので、興味のある方はぜひご参照ください。

ソルフェージュ学習サイトもおすすめ

続いてご紹介する教材は、オンラインでソルフェージュを学習できるWebサイト「洗足オンライン・スクール・オブ・ミュージック」です。

このWebサイトの特徴は、リズム・聴音・譜読みなどのトレーニングが全て無料で利用できることです。

そして、無料なのに信じられないほどのクオリティの高さです。

インターフェイスも非常にとっつきやすく、誰でも直感的に操作できるように設計されています。

洗足オンラインのイメージ画像
画像:洗足オンライン・スクール・オブ・ミュージックより

また、ゲームを進めながらソルフェージュ能力を高めるコンテンツがあったりと、利用者のユーザビリティがとことん追求されています。

テキストなどでコツコツと続けるのが得意でない方は、非常に親しみやすい洗足オンライン・スクール・オブ・ミュージックをまず試してみることをおすすめします!

独学のお供に楽典の本を用意しよう

ソルフェージュの独学では、わからないところをきちんと調べることが重要であることは、上述の通りです。

そのため、できればわかりやすい楽典の本を一冊用意しておくとよいでしょう。

私もいくつか楽典の本を何冊も読み比べましたが、初心者の方でもわかりやすいおすすめ楽典本は、小谷野 謙一「よくわかる楽典の教科書 (ゼロからすぐに身につく本) 」です。

また、最近はインターネットでもわかりやすいコンテンツがたくさん揃ってきています。

本サイト「ハルモニア」でも、初学者の方にもわかりやすいコンテンツ作りを心掛けていますので、ぜひご参照ください!

ソルフェージュの独学のあり方は様々

ソルフェージュの独学の方法やポイントなどは以上です。いかがでしたでしょうか?

ソルフェージュの独学は、教材を買って自分で調べながらやる以外にも、アプリを使用する方法やWebサイトを使用する方法など、実に様々な方法があります。

最近では動画なども充実してきていますね。

何ごとも、100%正しい方法などありません。

ソルフェージュも、やり方によって成長のスピードは違うかもしれませんが、続けていけば着実に音感や読譜力を伸ばすことができます。

こちらでご紹介した方法なども参考に、ぜひご自身に合ったソルフェージュのスタイルを模索していっていただければ幸いです♪

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