ソルフェージュ各論

ソルフェージュと楽典の違い・関係性について

ソルフェージュと楽典イメージ画像

「ソルフェージュ」という言葉は、しばしば「楽典」という言葉を伴って検索されています。

中には、「ソルフェージュと楽典の違い」という疑問も見かけます。

実は、ソルフェージュと楽典はどう違うのかと比較するような対象ではありません。

この点について、ソルフェージュと楽典の関係性を考察することで、説明していきたいと思います。

ソルフェージュと楽典の違いを意味で確認

ソルフェージュと楽典、それぞれの意味を確認することで、それぞれの違いを明らかにしていきます。

まずは、ソルフェージュのおおまかな意味について確認しておきましょう。

ソルフェージュとは

ソルフェージュとは、音を聴き取ったり、楽譜を見てドレミで歌ったりすることによって、音楽感覚、音楽理論への理解、聴音能力、読譜・視唱能力 など、音楽の総合的な基礎能力を養うトレーニングのことを指します。

ソルフェージュの具体的な内容としては、演奏された曲を聴きとって楽譜にしたり(聴音)、楽譜を見ながら歌ったりします(視唱)。

ソルフェージュは、スポーツでいうランニングや筋トレのようなものです。

ソルフェージュをしたからといってピアノやバイオリンなどがすぐに弾けるようになるわけではありません。

しかしながら、何の楽器をやるにせよ、ソルフェージュをしているかどうかで、その後の音楽的能力やパフォーマンスには圧倒的な差が生まれてしまいます。

具体的には、ソルフェージュによって、音楽感覚や音楽理論への理解、聴音能力、読譜力、視唱能力などを育むことができます。

つまり、ソルフェージュとは、音楽の基礎体力をつくるトレーニングのことであり、音楽の能力を伸ばすことを目的とするものなのです。

楽典とは何か

楽典とは、音楽の歴史の中で蓄積された、音楽の体系的なルール・法則のことです。

楽典は、英語では”musical grammer”と言います。

grammerを日本語にすると、「文法」という意味です。

文法というものは、最初からこう!と決められたものではなく、歴史的に積み上げられたものの中から、共通する法則やルールを抜き出して体系化したものです。

すなわち、楽典も、英文法などと同じように、音楽の歴史の中で積み上げられてきた楽譜の読み方や調整などの法則やルールを抜き出して体系化したものなのです。

つまり、楽典とは音楽の理論のことであり、内容は学校の科目と同様、教科書的な事柄です。

楽典の例としては、音符や休符の種類、五線上の音の高さ、拍や拍子、音階、調などがあります。

以上を踏まえると、ソルフェージュは音楽力を高めるためのトレーニングであるのに対して、楽典は音楽の理論をまとめたものなのです。

そのため、ソルフェージュと楽典はどう違うのかと比較するようなものではありません。

そこで、視点を変えて、ソルフェージュと楽典の「関係性」に着目してみましょう。

ソルフェージュと楽典の関係性について考える

では、ソルフェージュと楽典はどのような関係性にあるのでしょうか。

楽典とソルフェージュの関係性は、教科書の説明と練習問題のような関係です。

たとえば、数学でいくらサイン・コサイン・タンジェントについての説明を受けても、それだけでそれらを使いこなせるようになるわけではありません。

練習問題を反復して、実際にサイン・コサイン・タンジェントを使ってみる中で初めてそれらを理解し、使いこなすことができるようになります。

別の例では、楽典とソルフェージュの関係は、経営学とケーススタディーのような関係です。

たとえば、SWOT分析やROE/ROAなどの概念を本や授業で学んだだけでは、実際に使いこなすことができません。

そこで、ある企業の立場に立って強み・弱み・機会・脅威について分析して仲間と意見を共有することで、SWOT分析をフレームワークとして実際に使用できるようになります。

同様に、実際に企業の決算書の数字を用いてROEやROAを算出してみることではじめて、数値の計算方法や活用方法などを体で覚えることができます。

楽典とソルフェージュも、上記の例と同じなのです。

楽典の本を読んで音符の種類や五線上の音の高さ、表紙などの説明を読んでも、いざ実際に演奏してみようと思うと、いきなりできることはまずないでしょう。

実際に楽器を演奏しながら覚えてもいいですが、それは、練習問題やケーススタディをせずにいきなり実践で使用するようなものです。

ソルフェージュという練習問題・ケーススタディを重ねることによって、楽典という理論を体で覚え、より効率的に使いこなせるようになるのです。

つまり、楽典とソルフェージュの関係は、理論と理論を実際に使いこなすためのトレーニングという関係にあるのです。

楽典を学んだだけでは、楽譜をスラスラと読むことができません。

楽典で学んだ理論をソルフェージュというトレーニングで反復練習することによって、実際に使えるスキルへと昇華していきましょう!

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