音楽史

ソルフェージュの起源│グイード・ダレッツォとは?

ソルフェージュの起源=グイード・ダレッツォのイメージ画像

ソルフェージュの起源】
音に名前をつけて歌うソルフェージュは、イタリア人修道士のグイード・ダレッツォ(Guido d’Arezzo)によって考案されました

ソルフェージュが誕生した理由は、音楽を今日のような方法で楽譜に記していなかった時代に、修道士たちに聖歌を効率よく覚えてもらうための方法が必要だったからです。

本記事では、ソルフェージュを誰がどのような目的でつくり出したのかについて見ていきます。

そもそも「ソルフェージュとは何か」については、以下の記事をご参照ください。

ソルフェージュのイメージ画像
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ソルフェージュの生みの親|グイード・ダレッツォ

ソルフェージュとは、音楽を聴いて楽譜に書いたり、楽譜を見ながらドレミで歌ったりすることによって音楽の基礎的な感覚を磨いていくトレーニングです。

今でこそ音楽を志す人たちの間で当たり前に行われるようになったソルフェージュですが、元々はどのようにして始まったのでしょうか。

この件に関しては、海外のウェブサイトで分かりやすく解説されていたため、以下に引用します。

約1,000年ほど前に、グイードという名のイタリア人修道士がいて、ある深刻な問題を抱えていました。彼は大修道院の聖歌隊をまとめていましたが、他の修道士たちが新しい聖歌を覚えてもらうのに苦労していました。その当時、音楽は今日のように書き留められておらず、グイードにできることは、他の修道士たちが覚えるまで繰り返し歌うことだけでした。
グイードは、新しい聖歌をより速く教える方法を模索していたため、音階のそれぞれの音に名前をつけることにしました。グイードは、以前の線より一音高い線で始まる歌を用いるようになりました。また、各線に、初めての階名となるUt、Re、Mi、Fa、So、Laの名前をつけました。グイードが聖歌隊に新しい聖歌を教えようとした時、彼らはそれらの階名を使って音を覚えようとしました。これが非常にうまくいったので、グイードと彼の方法論はイタリア中で名を馳せるようになった。
何世紀かを経て、グイードの音階の音色に名前をつける方法論は、おなじみのDo、Re、Mi、Fa、So、La、Ti(ドレミファソラシ)へと進化し、ロジャースとハマースタインのコンビも”Sound of Music”の作品の中で称えています。音色に名前をつけるこの方式は、ソルフェージュと呼ばれ、音楽家が音階における各音の関係に対する感覚を磨くのに役立っています。

What Is Solfège and Why Do We Teach It? (https://www.hoffmanacademy.com/blog/what-is-solfege/)より翻訳・引用。

イタリア人修道士グイード・ダレッツォが考案

ソルフェージュ階名は、イタリア人修道士のグイード・ダレッツォ(Guido d’Arezzo)によって考案されました

グイードは、初期のキャリアをポンポーサ修道院で過ごしました。聖歌隊のまとめ役として、修道士たちにグレゴリオ聖歌を教えていました。

グレゴリオ聖歌とは、キリスト教のローマ・カトリック教会(西方教会)の典礼などに用いられる宗教音楽のことです。

彼は聖歌を教える立場だったので、修道士たちにいかにして歌を覚えてもらうかという問題意識を持っていたのです。

音に名前をつけて覚えやすくしたのが始まり

グイードのキャリアにおける重要な問題は、修道士たちにいかに効率よく歌を覚えさせるかということでした。当時はまだ今日のような方法で音楽を楽譜に記すということを行っていませんでした。

そのため、修道士たちに歌を覚えてもらうためには、修道士たちの前で何度も繰り返し歌って模範を示す他ありませんでした。

そしてグイードは、歌を教える中で、より効率的に歌を覚えてもらうための方法を考え出します。それが、各音色に対応する名前をつけ、それらを半直線上に高さ別に並べて記す方法でした。

グイードは、異なる高さの各音に、それぞれUt、Re、Mi、Fa、Sol、Laという名前をつけました
※上の訳ではsolはsoと表記されていましたが、本来はsolが使われていました。

これは、「洗者聖ヨハネの賛歌」というキリスト教の賛歌の歌詞の頭文字からとってきたものです。歌詞を以下にご紹介します。

Ut queant laxis
Resonare fibris
Mira gestorum
Famuli tuorum
Solve Polluti
Labii reatum
Sancte Iohannes

これは、以下のような日本語訳になります。

しもべらがゆるやかな声帯で
御身の驚くべき行為を歌い響かせ得るように
けがれた唇の罪を赦したまえ
聖ヨハネよ。

洗者聖ヨハネの賛歌 Ut queant laxis resonare fibris (https://blog.goo.ne.jp/thomasonoda/e/3151aecb2771e9744c2ce06ee51e141c)より引用。

音につける名前を宗教音楽からとってきたのは、グイードが修道士という立場であったことから、ごく自然なことであったと言えるでしょう。

聖歌を教えるため、という音に名前をつける目的を考えれば、修道士たちもおなじみの歌詞の頭文字が解明になっていたことで、覚えやすかったであろうと推測できます。

このUt、Re、Mi、Fa、Sol、Laという音名を用いた方法が非常に汎用性が高かったため、やがてイタリア全土で使われるようになりました。

これが、現在世界中で使われているソルフェージュ階名「ドレミファソラシ」へと進化していったのです。