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楽譜の読み方④|音部記号とは?ト音記号・ハ音記号・ヘ音記号

音部記号の役割イメージ画像

【 音部記号 】
音部記号とは、五線と音の高さの関係を示す音楽記号のこと

音部記号には、高音部の「ソ」の位置を示す「ト音記号」と、中間部の「ド」の位置を示す「ハ音記号」、そして、低音部の「ファ」の位置を示す「ヘ音記号」がある。

西洋音楽で用いられる音の種類を確認したところで、いよいよ五線上での音の高さの表し方を見ていきましょう!

楽譜上では、五線と音の高さの関係を示すために、これからご紹介する「音部記号」というものを最初に書きます。

五線だけでは音の高さは表現できない

楽譜では、たった五本の線で音の高さの違いを表現します。ためしに五線の上に、音符をひとつ書いてみましょう。

音符と五線のみの画像

この音符は何の音だと思いますか?

実は、これだけでは何の音かわかりません。状況によってはソになることもあれば、ラになることもあり、シになる場合もあります。

つまり、五線だけでは音符がどの高さの音を示しているのかがわからないのです。

したがって、五線で音の高さを表すためには、まず五線の各線・行間が、それぞれ12種類の音のどの音と対応しているのかを示す必要があります。

この時に、五線と音の高さの関係を表すために用いる記号のことを「音部記号」と呼びます。

音部記号には、「ト音記号」「ハ音記号」「ヘ音記号」の3つがあります。

たとえば、ト音記号の渦(うず)の中心は、その位置が「ソ」の音であることを表します。

基本的に、「ト音記号」は高音部を、「ハ音記号」は中間部を、「ヘ音記号」
は低音部の音の高さを示すのに用いられます。

ところで、音部記号の頭文字にある「ト」「ハ」「ヘ」とは、それぞれ何を表しているのでしょうか?次章で確認していきましょう。

音楽の「ハニホヘトイロハ」とは|イタリア語音名と日本語音名

前の記事で、音楽で用いられる音の種類は、ド・ド♯(レ♭)・レ・レ♯(ミ♭)・ミ・ファ・ファ♯(ソ♭)・ソ・ソ♯(ラ♭)・ラ・ラ♯(シ♭)・シ」の12種類であることを説明しました。

実は、この「ドレミファソラシ」という音の名前(=音名)は、元々イタリア語です

そして、ドレミ~が使われるようになるまで、日本では各音を「ハニホヘトイロ」と呼んでいました

つまり、「ハニホヘトイロハ」は、日本独自の音の名称(=音名)だったのです。

ではここで、イタリア語音名と日本語音名の対応関係を確認しておきましょう。

次の図では、イタリア語と日本語の音の名前を、ピアノの鍵盤上に示したものをそれぞれ並べています。

イタリア語音名の画像 日本語音名の画像

図より、「ハニホヘトイロ」は、それぞれ「ドレミファソラシ」と、順番に対応していることがわかります。

したがって、音部記号の頭についている「ト」は「ソ」、「ハ」は「ド」、「ヘ」は「ファ」の音を表しているのです。

これはつまり、五線上音符について、ト音記号は「ソ」の位置を、ハ音記号は「ド」の位置を、ヘ音記号は「ファ」の位置をそれぞれ表しているということです。

「ハニホヘトイロハ」は、日本語の音名表記が残ったものだったんですね。

では、音部記号の頭についたカタカナの意味を確認したところで、いよいよそれぞれの音部記号の具体的な意味を確認していきましょう。

高音部の音部記号「ト音記号」

まずは「ト音記号」についてです。ト音記号は、以下のような形の音部記号です。

ト音記号の画像

ト音記号は「ソ」の位置を表す

ト音記号の「ト」は、ドレミファソラシドの「ソ」を表しています。

つまり、ト音記号は、「ソ」の位置を定める音部記号なのです。

ト音記号は、中心のうずに囲まれた赤マルの部分をソの音に定めます。ト音記号は通常、第2線(=下から2番目の線)上の音をソとして扱います。画像の赤丸部分です。

ソの位置

ト音記号の定める「ソ」の位置は、第2線上である

ト音記号が、五線の第2線上の音をソと定めているため、次の位置にある音符がソを表します。

ソの画像

中間部の音部記号「ハ音記号」

続いては、ハ音記号についてです。ハ音記号は、以下のような形の音部記号です。

ハ音記号

ハ音記号は「ド」の位置を表す

ハ音記号の「ハ」は、ドレミファソラシドの「ハ」を表しています。つまり、ハ音記号は、「ド」の位置を定める音部記号なのです。

ハ音記号は、中央のとがった部分をドの音に定めます。ハ音記号は通常、第3線(=下から3番目の線)上の音をドとして扱います。画像の赤マル部分です。

ハ音記号の定める「ド」の位置は、基本的に第3線上である

ハ音記号が、五線の第3線上の音をドと定めているため、次の位置にある音符がドを表します。

ハ音記号のド

低音部の音部記号「ヘ音記号」

最後は、ヘ音記号についてです。ヘ音記号は、以下のような形の音部記号です

ヘ音記号

ヘ音記号は「ファ」の位置を表す

ヘ音記号の「ヘ」は、ドレミファソラシドの「ファ」を表しています。つまり、ヘ音記号は、「ファ」の位置を定める音部記号なのです。

ヘ音記号は、うずの先の黒マルが描かれる線(=右側のコロン(:)にはさまれた線)をファの音に定めます。

ヘ音記号は通常、第4線(=下から4番目の線)上の音をファとして扱います。画像の赤丸部分です。

ヘ音記号のファの位置

ヘ音記号における「ファ」の位置は、基本的に第4線上である

ヘ音記号が、五線の第4線上の音をファと定めているため、次の位置にある音符がファを表すことになるのです。

ヘ音記号のファの位置

 

なお、各音部記号の位置は、場合によって変化することがあります。

音部記号についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

音部記号のイメージ画像
音部記号の意味と種類|ト音記号・ヘ音記号・ハ音記号の役割 画像:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Clefs.svg 上の画像は、それぞれ...

各音部記号の位置関係を確認する

では、最後に各音部記号が定める音の高さを、鍵盤上で確認しておきましょう。

次の図で、ト音記号が定める「ソ」は青色で、ハ音記号(アルト記号)が定める「ド」は黄色で、ヘ音記号(バス記号)が定める「ファ」は赤色で示しています。

音部記号と音高の関係

図で見てわかる通り、高音部は主にト音記号が、中間部は主にハ音記号が、低音部は主にヘ音記号が、互いに補い合って音の高さを示していることがわかります。

つまり、3種類の音部記号は、表したい音域によって使い分けられるのです。

まず、ト音記号は、音部記号の中でも最も高音域の音高を示します

そのため、ト音記号はヴァイオリンなどの高音を担当する楽器の楽譜に使用されます。通常の位置にあるト音記号は、「ヴァイオリン記号」と呼ばれることもあります。

続いて、ハ音記号は、五線上の中音域の音高を示します

ハ音記号が用いられる主な楽器としては、ヴィオラやトロンボーンなどが挙げられます。

最後に、ヘ音記号は、音部記号の中では最も低音域の音高を示します。

たとえば、コントラバスなどの低音で楽曲を支えるような楽器の楽譜に用いられます。

音部記号まとめ

音部記号に関する解説は以上です。音部記号が置かれる意味や、各音部記号が定める音の位置についてご理解いただけたのであれば幸いです。

本記事のまとめを以下に記載しておきますので、ポイントをご確認ください♪

本記事のまとめ
  • 音部記号は、五線上の音の「高さ」を定める
  • 音部記号には、「ト音記号」「ハ音記号」「ヘ音記号」の3つがある
  • ト音記号は高音の「ソ」、ハ音記号は中間の「ド」、ヘ音記号は低音の「ファ」の位置をそれぞれ表す

そして、音部記号が理解できたところで、いよいよ五線上の音符と音の高さの関係を確認していきましょう。

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