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変化記号とは|調号と臨時記号の違いや♯・♭・♮などの意味

変化記号のイメージ画像

【 変化記号 】

変化記号とは、五線上の幹音(五線の各線もしくは各間が表す高さの音)の高さを上げたり下げたりすることを表す記号、もしくは、高さを上げたり下げたりした音をもとの高さに戻すことを表す記号のことである。

変化記号によって音の高さが変化したものを、(幹音に対して)「派生音」と呼ぶ。

音の高さについて、各記号は以下の役割を果たす。

  • ♯(シャープ)は、半音1つ分上げる
  • ♯♯(ダブルシャープ)は、半音2つ分上げる
  • ♭(フラット)は、半音1つ分下げる
  • ♭♭(ダブルフラット)は、半音2つ分下げる
  • ♮(ナチュラル)は、♯や♭によって上下した音を元に戻す

変化記号には、楽曲や楽章などの調に共通する派生音を楽譜の始めであらかじめ示しておく「調号」と、旋律にアクセントや変化をつけために特定の箇所の音に一時的につく「臨時記号」の2種類がある

本記事では、「変化記号」の意味と使用される背景、変化記号に含まれる「調号」と「臨時記号」の違い、「♯・♭・♮」など各種変化記号の意味について、詳しく解説していきます。

変化記号とは

変化記号とは、♯や♭、♮など、ある音の高さを変化させることを楽譜上に示すための記号のことです。

楽譜を表記するうえで、なぜ変化記号が必要となるのでしょうか。その理由は、五線上の各音の表記の仕方にあります。

前提として、楽譜上では各音の高さを表すために、五本の線が用いられます。これを「五線」と呼びます。

五線の各線と行間の名称は、以下のように呼ばれています。

五線各部の名称

そして、五線上では、ト音記号やヘ音記号など何の音部記号が用いられるかによって位置は異なりますが、ある線上の音が「ド」であれば、その上の行間にある音は、「レ」であり、次の線上は「ミ」、同様に「ファ」「ソ」「ラ」「シ」「ド」という、いわゆる「ドレミファソラシド」の順序で表されます。

これらの「ドレミファソラシ(ド)」の音を、「幹音」と呼びます。これらの音は、五線上に変化記号がなくても存在することができます。

ところが、西洋音楽で用いられる音は「ドレミファソラシ(ド)」だけではありません。他に「ド♯(レ♭)・レ♯(ミ♭)・ファ♯(ソ♭)・ソ♯(ラ♭)・ラ♯(シ♭)」の5種類の音があります。

つまり、西洋音楽で使われる音の種類は、合計で12種類の音なのです。

しかしながら、これらの12種類の音を線上・行間・線上・行間…のように均等に配置していくと、各音を識別しづらいうえに縦方向に間延びしてしまいます。

そのため、楽曲での使用頻度の高い「ハ長調」と「イ短調」の音階を構成する7つの音(ドレミファソラシ)のみが五線上に規則的に配置されるようになりました。

そして、幹音(=「ドレミファソラシ」の7種類の音)の高さを記号によって上下させることで、五線上ですべての音を表現できるように規則が定められました。この時の、幹音の音を上下させる記号が、変化記号なのです

「ド♯(レ♭)・レ♯(ミ♭)・ファ♯(ソ♭)・ソ♯(ラ♭)・ラ♯(シ♭)」のような幹音に変化記号がついた音は、「幹音」に対して「派生音」と呼ばれます。

このように、変化記号は、五線上の幹音の音の高さを変化させることで様々な種類の音を限られたスペース内に表記することを可能にするものです。

そして、この変化記号は、大きく分けて「調号」と「臨時記号」の2種類に大別されます

変化記号には「調号」と「臨時記号」がある

変化記号には、2種類の役割の異なったものが存在します。

1つは「調号」であり、もう1つは「臨時記号」です。

調号とは

調号とは、ある調で継続的に表れる♯や♭などを、対象の音に都度記載するのではなく、楽譜の最初にまとめて書いたもののことです。

このことを理解するために、まずは「調」について確認しておきましょう。

西洋音楽の楽曲や楽章などの音楽的なまとまりには、主役となる音があります。この、楽曲や楽章の主役となる音のことを、「主音」と呼びます。

また、西洋音楽では12種類の音が用いられることはすでに述べたとおりです。しかしながら、楽曲や楽章では、全ての種類の音が均等に用いられるわけではなく、主音と親和性の高い音を中心として曲が構成されます。

基本的には、主音と、主音と親和性の高い6つの音の合計7つの音がよく用いられ、それらを低い順に並べたものを「音階」と呼びます。

音階には、明るい雰囲気を持つ並びである「長音階」と、悲しい雰囲気を持つ並びである「短音階」の2種類があります。

そして、調とは、楽曲や楽章などの主音が何の音であり、長音階と短音階のどちらが用いられているのかを表す言葉です。

たとえば、「ハ長調」という調の、「ハ」は日本語音名で「ド」が主音であることをあらわし、また、「長」が長音階であることを表しています。

調とは何かを確認したところで、いよいよ調号に話を戻します。

各調の音階には、変化記号のつかない幹音だけでなく、♯や♭などの変化記号のついた音が含まれることがあります。

そして、各調ごとに継続して用いられる変化記号のことを「調号」と呼びます

調号の具体例として、「ト長調」の例を見てみましょう。ト長調は、ソを主音とする長音階がその音楽の中心であることを表します。

ソから長音階の並びである「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」ずつ進んでいくと、ト長調の音階は「ソ ラ シ ド レ ミ ファ♯ ソ」という並びになります。図でも確認しておきましょう。

 

ト長調の鍵盤図

※青い◡は全音を、赤い◡は半音を表す。

ここで注目すべきは、ト長調の音階では、ファに♯(=半音上げる)がついていることです。つまり、ト長調の音楽では、特に指定がない限り、ファの音は半音上げたものを終始使用するのです。

このように、ある調の中の特定の音に継続的につく変化記号(=♯や♭)のことを、「調号」と呼びます

ところで、ファの音が登場するたびに毎回♯を楽譜に書き込んでいては、たいへん手間がかかります。また、変化記号だらけで見た目もイマイチです。

このような事態を避けるために、ある調に継続的に表れる変化記号(=調号)は、楽譜の始めにまとめて記載されます

たとえば、次の画像の♯は、調号です。調号はこのように、楽譜の左側、音部記号(=ト音記号・ヘ音記号など)の右側に書かれます。

調号のイメージ画像

今回はト長調の例を確認しましたが、調号の種類や数は、調の種類によって異なることも合わせておさえておきましょう。

臨時記号とは

もう1つの変化記号は、「臨時記号」です。

臨時記号は、その名の通り一時的に音の高さを上下させるために用いられるものです。

そのため、「臨時記号」は、継続的な音の変化を示す「調号」とは区別されます。

さらに詳しく説明すると、「臨時記号」とは、調の音階(=7つの主要な音を並べたもの)に含まれない音に、一時的につける♯や♭、♮などの記号ことです

臨時記号を書くときは、音の高さを上下させる音符の左横に書き込みます。

臨時記号の画像つまり、「調号」は調の持つ音階次第で継続的に音の高さを変化させるために用いるのに対して、「臨時記号」は一時的に音の高さを上下させるために用いられる変化記号であるということです

変化記号の種類

続いて、変化記号の種類とそれぞれの意味を確認していきましょう。

変化記号には、♯(シャープ)、♭(フラット)、♮(ナチュラル)、♯♯(ダブルシャープ)、♭♭(ダブルフラット)の5種類が存在します。

♯(シャープ)とは│半音1つ分上げる

1つ目の変化記号は「♯」です。読み方は「シャープ」です。

♯は、五線上の幹音の音の高さを半音1つ分上げる働きを持つ記号です

たとえば、「レ」の音を半音1つ分上げると、「レ♯」の音になります。

この時、注意したいのは、「ミ」と「シ」の♯です。以下の図で確認していきましょう。

ミとシの♯鍵盤図

「ミ」と「シ」以外の音であれば、半音上がった時に幹音でない音が存在します。図中の黒鍵の音がそれに当たります。

ところが、「ミ」と「シ」を半音上げても、そこに派生音はありません。「ミ」を半音上げると、「ファ」、「シ」を半音上げると「ド」と、幹音を半音上げたのにまた幹音になります。

このように、半音上げても幹音になる音が存在するため、演奏する際にはきちんと理解しておきたいところです。

♭(フラット)とは│半音1つ分上げる

2つ目の変化記号は「♭」です。読み方は「フラット」です。

♭は、五線上の幹音の音の高さを半音1つ分下げる働きを持つ記号です

たとえば、「レ」の音を半音1つ分下げると、「レ♭」の音になります。

♯と同様に注意したいのは、「ド」と「ファ」の♭です。以下の図で確認していきましょう。

ド・ファ♭の画像

「ド」と「ファ」以外の音であれば、半音下がった時に幹音でない音が存在します。図中の黒鍵の音がそれに当たります。

ところが、「ド」と「ファ」を半音下げても、そこに派生音はありません。「ド」を半音下げると、「シ」、「ファ」を半音上げると「ミ」と、幹音を半音下げたのにまた幹音になります。

♯の場合と同様に、半音下げても幹音になる音が存在するため、演奏する際にはきちんと理解しておきたいところです。

♮(ナチュラル)とは|変化記号を無効にし、幹音に戻す

3つ目の変化記号は「♮」です。読み方は「ナチュラル」です。

♮は、変化記号によって音の高さが上下させられていた音を、元の幹音の高さに戻すことを表す記号です

たとえば、「レ♯」や「レ♭」の音に♮をつけると、「レ」の音に戻ります。

♯♯(ダブルシャープ)とは│半音2つ分上げる

4つ目の変化記号は「♯♯」です。読み方は「ダブルシャープ」です。

♯♯は、五線上の幹音の音の高さを半音2つ分上げる働きを持つ記号です。

たとえば、「レ」の音を半音2つ分上げると、表記上は「レ♯♯」となりますが、実質的には「ミ」の音を指します。

同様に、「ミ」の音を半音2つ分上げると、表記上は「ミ♯♯」となりますが、実質は半音1つ分上の「ファ」をさらに1つ飛び越えて、「ファ♯」の音を指します。

なお、ダブルシャープは、表記上は以下のような記号で表されることが一般的です。覚えておきましょう。

ダブルシャープ画像
画像:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Double_sharp_sign.svg

♭♭(ダブルフラット)とは│半音2つ分下げる

5つ目の変化記号は「♭♭」です。読み方は「ダブルフラット」です。

♭♭は、五線上の幹音の音の高さを半音2つ分下げる働きを持つ記号です

たとえば、「レ」の音を半音2つ分下げると、表記上は「レ♭♭」となりますが、実質的には「ド」の音を指します。

同様に、「ド」の音を半音2つ分下げると、表記上は「ド♭♭」となりますが、実質は半音1つ分下の「シ」をさらに1つ飛び越えて、「シ♭」の音を指します。

変化記号に関するその他の名称について

最後に、変化記号に関する呼称として、「嬰種変化記号」「変種変化記号」「本位記号」という3種類が存在します。それぞれが何を指しているのかについても、念のためご紹介しておきます。

嬰種変化記号

嬰種変化記号とは、幹音の高さを上げる記号のことを指します具体的には、♯と♯♯のことを表す言葉です

「嬰」とは、♯の日本語名のことです。したがって、嬰種変化記号とは、シャープ系変化記号のことを意味するのです。

変種変化記号

変種変化記号とは、幹音の高さを下げる記号のことを指します具体的には、♭と♭♭のことを表す言葉です

「変」とは、♭の日本語名のことです。したがって、変種変化記号とは、フラット系変化記号のことをを意味するのです。

本位記号

本位記号とは、変化記号の効果を打ち消し、音符本来の音である幹音の高さに戻すことを表す記号です具体的には、♮のことを指しています

「本位」とは、「基本とするもの」という意味です。変化記号における「基本とするもの」とは、すなわち「幹音」のことを表しているのです。

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