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メヌエットとワルツの比較|成り立ち・形式の違い、代表曲は?

メヌエット&ワルツのイメージ画像

よく3拍子の曲を弾く時に、「ワルツのように」などのように表現されることはありませんか?3拍子という言葉を使うとき、しばしばワルツが連想されます。

しかしながら、3拍子にはワルツ以外の形式ももちろんあります。ワルツ以外の3拍子の例としては、メヌエットがあります。

同じ3拍子に分類される踊りであるメヌエットとワルツですが、それらは実際にはどのように違うのでしょうか。それぞれの成り立ちや形式などの違いについて確認していきましょう。

メヌエットの成り立ちや形式について

ワルツとメヌエットを比較すると、メヌエットの方が歴史は古いです。まずは、歴史の古いメヌエットの成り立ちや形式について確認していきましょう。

メヌエットの成り立ちと特徴

メヌエットは、フランス起源の踊りで、17世紀中頃からルイ14世の宮廷などで流行しました。舞踏会で皆の見守る中で踊る、格式高いペア・ダンスでした。

ダンスの始まる前、SあるいはZの字の端と端に当たる位置に男女が立ちます。そして、ダンスが始まるとお互いにSあるいはZの字を描きつつステップを踏んで移動し、中央で合流します。

ひとしきり踊ったのち、また分かれてお互いにそのまま進み、始まる前に相手のいた位置について終わります。

なぜその形を描くのかと言うと、soleil(フランス語で「太陽」の意)の頭文字、すなわち太陽王ルイ14世を象徴しているのです。

最初に王と王妃が踊り、次に王妃と王子が踊り、その次は王子と王女が踊り…と相手を変えて続けられました(もし王が別のダンスを見たくなったら、そのときは王に仕えるもの(寝室係)が王の意向を皆に発表したと言われています)。

フランス語のmenu(小さい)が語源で、かつらが落ちず、長いドレスの裾を踏むこともなく、小さなステップで踊れるような、比較的ゆったりしたテンポの踊りということですね。

3拍子の曲ですが、ステップは6拍でひとまとまり。2拍目と6拍目の位置にプリエ(軽く膝を曲げる動作)が入ります。ですから、演奏するときも2小節でワンフレーズを意識したほうがいいですね。

そして、プリエに当たる拍は音楽の運びとして非常に重要だと考えられます。

メヌエットの形式

舞踏会で踊られたようなメヌエットでは、第1メヌエット、第2メヌエット、そして第1メヌエットに戻るという大きな三部形式となっています。

第1メヌエット、第2メヌエットはそれぞれ前半・後半に分かれた二部形式で、8小節ずつのまとまりです。

中間部の第2メヌエットの部分が「トリオ」と書かれていることもあります。これはオーケストラで演奏されていた時に、前後のトゥッティ(全奏)に対して、その部分はオーボエ2本+ファゴット1本の3声部で演奏されていたからです。

そこから、独奏曲であっても、その部分は「トリオ」と呼ばれるようになります。

第1メヌエットと第2メヌエット(あるいはトリオ)は、対照的な曲調となるのが常でした。

時代を超えて愛されたメヌエット

バロック時代が過ぎてからも、メヌエットは独立した音楽として生き続けました。

有名なところでは、ベートーベンのト長調のメヌエット(WoO.10-2)、ビゼー「アルルの女」組曲の中のメヌエットなどが挙げられます。

古典派時代には4楽章構成の交響曲やソナタなどで第3楽章として使われ、楽章構成の一部となっています。

現代でも、メヌエットと名のつく楽曲はよく演奏されています。メヌエットは、時代を超えて愛されてきた楽曲の形式と言えるでしょう。

ワルツの成り立ちや形式について

続いて、ワルツについても、その成り立ちや特徴などを確認していきましょう。

ワルツの誕生

ワルツの語源は、ドイツ語のWaltzerが由来と言われています。「転がす」という意味のwaltzenの名詞形です。

ドイツのチロルやバイエルンという地方には、ヴェラー(Weller)という踊りがありました。男女が体を接して一方向に共に回るダンスで、上流社会では当初、風紀的理由から禁じられていました。

しかしながら、あまりの人気に、ついにハプスブルク帝国全体で解禁されるに至りました。

ワルツと同様にヴェラーから発展したものに、レントラーがあります。レントラーは、ウィンナワルツ(スピードの速い回転の多い踊り)の前身とも考えられています。

さて、国際的な場に初めてワルツが登場したのは1814年、「会議は踊る、されど進まず」で有名なウィーン会議でのことです。

ナポレオン戦争後、ヨーロッパの各国の首脳が話し合いのためにウィーンに集まったのですが、利害関係の対立で会議は遅々として進まず、代わりに(成果がないのを誤魔化すため?)オーストリアの外相メッテルニヒが連日盛大な舞踏会を開き、そこでワルツが踊られたというわけです。

ちなみに、ウィンナワルツは回転の多い踊りですが、これは踊ることで女性の目を回し、そこでワインを飲ませて男性がお願いを聞いてもらう…という目的もあったようですよ。

ワルツとウィンナワルツはどう違う?

ワルツと言えばズン・チャッ・チャッ(強・弱・弱)の伴奏形に象徴されますが、ウィンナワルツではズンチャ・ーッ・チャッと2拍目を早めにずらし、引き延ばすことで、独特のグルーヴ感を生んでいます。

しかし、当時の演奏習慣ではなく20世紀中頃に成立した習慣という見解もあるらしいので、ここではひとまず置いておきましょう。

ウィンナワルツのテンポは、一般的にワルツよりかなり速いと言えます。きっと、男性が女性をぶん回すために、どんどんテンポアップしていったのでしょう。

有名なワルツの曲

ヨハン・シュトラウス2世の「春の声」「美しき青きドナウ」、ショパンの「華麗なる大円舞曲」「子犬のワルツ」をはじめとした一連の作品、リストやブラームスにも作品があります。

チャイコフスキーの作品の中では、バレエ音楽「くるみ割り人形」の中の「花のワルツ」が有名ですね。

他にも、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」「高雅で感傷的なワルツ」、ワルトトイフェルの「スケーターズワルツ」等々、枚挙にいとまがありません!

メヌエットとワルツの共通点、相違点

メヌエットとワルツは、3拍子の舞曲であること、もとは民族舞曲だったものが宮殿で踊られるようになって洗練されたものになったこと、という共通点があります。

一方で、その成立にはかなり違いがあると言われています。メヌエットとワルツの相違点を、下表にまとめています。

<メヌエット>
発 祥:フランス
成 立:17世紀頃
テンポ:中庸
踊り方:1組のペアが図形を描きながら踊る

 

<ワルツ>
発 祥:オーストリア・南ドイツ(ハプスブルグ帝国)
成 立:18世紀頃
テンポ:やや速め
踊り方:複数のペアが同時に一定方向に回転しながら踊る

メヌエットのほうは成立も古いだけあってゆったりと格式のある舞曲、ワルツのほうが大衆的で親しみやすくスピード感のある舞曲、というイメージです。

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DoReMi
音楽系教育機関で音楽家の学習や演奏活動を支援しながら、ピアノやソルフェージュなど自身の音楽活動を継続しています。音楽学習者がつまずきやすい音楽の概念を読んで理解できるサイトを創りたいという思いから、「DoReMiOnline」を立ち上げました♪